四話 迷子の子猫ちゃん
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、これって偽物なのか?」
「本物に近い贋作。言わば、限りなく本物に近い模造品って所かな」
本物に比べれば質は劣るが、本物を造るよりコストは抑えられるし使い勝手もいい。
だが、決して本物には勝てない。
これは絶対だ。
「へぇ……これが、偽物ねぇ」
「偽物と言っても剣は剣だ。無闇に人に向けるなよ。普通に刺さるし、普通に斬れるからな」
ヒュンヒュンと軽く素振りをしているカンバリーに忠告しておく。
「おいっ!それを早く言えよ!
あともうちょっとで、ガストンの頭をかち割ってたぞ!?」
「いや、そうなりそうと思ったから言ったんだよ」
「カンバリー!テメェな!」
「いや、シロウが言うのが遅せぇ!俺は悪くねぇ!てか、未遂で終わったんだからいいだろ!」
「シロウの忠告が無かったら俺の頭は綺麗に真っ二つだったぞ!」
ゴチャゴチャと口論するカンバリーとガストン。なんか、微笑ましい光景だ。
やっぱ、異世界でもこういう光景は見られるもんなんだな。
あと少し、遅かったら殺人事件になってたが。
「はい、次は俺の番だ。
加護について詳しく教えてくれ」
パンパンっと両手で二人の争いを止める。
カンバリーとガストンはしぶしぶ拳を収め、ラチンスは溜め息を付きながら。
「テメェら、一旦落ち着け」
「よぉし、こうなったら戦争だ!」
「テメェみてぇなチビが、俺に勝てると思ってるのか!?」
「タッパは関係ねぇ。重要なのは腕だよ!腕!」
「テメェら……」
「よっしゃ。なら、まずはお財布の中身勝負だ!」
「おおよ!」
「俺の全財産は────0!」
「俺も────0!」
なんと、虚しい勝負。見てるだけで痛々しい。ていうか、勝負の内容地味過ぎませんかね?
「はぁ、コイツらは置いといて。
加護に付いては俺から説明してやるよ」
「おぉ、なんかお前も大変そうだな」
「コイツらは俺よりも短気だからな。救いようのねぇバカだよ」
と言いつつもラチンスは笑顔だった。
「まぁ、どっから話せばいいか。すまねぇが、俺は口下手でな。分かりにきぃかも知んねぇが、そこは想像力で補ってくれ」
「え?あ、うん?」
「加護ってのは、世界から与えられる祝福だ」
「祝福?」
「詳しくは俺も知らねぇ。まぁ、加護つうのはこの世に生まれた時から持ってる能力みてぇなもんだ。その加護を持って奴の事を加護持ちって言うんだよ」
生まれた時から持ってる能力?
加護を持っている者=加護持ち?
「ちょっと待て。さっきのお前の説明からすると加護は生まれつき持ってる能力って事でいいのか?
それだと皆、加護持ちって事になるけど?」
「んっ。あぁ、悪ぃ。そういう意味じゃねぇんだ。加護ってのは生まれ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ