四話 迷子の子猫ちゃん
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れが終われば赤の他人だ。赤の他人と仲良くしても得する事は何もねぇ」
「でもよぉ、」
「まぁ、いいじゃねぇかラチンス」
大柄な身体を揺らしガストンは。
「仕事が終われば赤の他人かも知れねぇが、今は雇われの身だ。雇い主と仲良くしても問題はねぇだろ」
っと何処か楽しげに言った。
「……テメェらなぁ。
チッ、勝手にしやがれ」
ラチンスはそっぽ向き、早歩きで先に進んだ。
「なぁなぁ、シロウ。あの剣もう一回見せてくれよ!」
カンバリーは無邪気な笑顔でコチラを見つめてくる。
やめろ。そういう視線は苦手だ。
「シロウ。俺からも頼む」
今度はガストンも言ってきた。
「なっ。お前も見たいのか?」
「おぉ、あんな摩訶不思議な魔法は見た事ねぇ」
「アレは魔法じゃない」
「魔法じゃねぇのか?
じゃあ、なんかの『加護』の力か?」
加護?
またしても聞き慣れない言葉だ。
「なぁ、その、さっき言ってた『加護』ってなんだ?」
そう言うとガストン、ラチンス、カンバリーは立ち止まった。
え……?まさか、これも一般常識的な感じですか?
「い、いやぁ。俺って凄く遠くの土地からここに来てさ。色々と解んないことばっかなんだよ!」
誤魔化そうと適当に言葉を並べるが。
「加護を知らない?」
「遠くからとか関係なくね?」
「えっ?加護を知らねぇ所とかあんの?」
こんな返し方をされると、どう言葉を返せばいいのか困る。
取り敢えず、加護の存在は一般常識という事は解った。だが、そんな事よりもこの状況をどうにかしないと……。そうだ!
「よしっ。じゃあ、さっきの剣を見せてやるから代わりに加護について教えてくれ!」
ガストン、ラチンス、カンバリーはそれぞれの顔を見合わせた。そして、「まぁ、いいか」という結論になり。
「こんな当たり前、教える気になんねぇが。まぁ、教えてやるよ。だが、その代わりに」
「分かった。見せてやるよ」
俺は瞬時に先程の双剣を投影し、カンバリーに差し出した。
「スゲェ……何にもねぇ所から剣を出した」
「出した……ってより、創り出したようにも見えるが、」
「どっちにしろ、スゲェーことに代わりはねぇ!スゲェよ!シロウ!」
カンバリーはとても嬉しそうに言ってくる。
そんなに凄いものでも無いんだけど、喜ばれるとなんか嬉しいな。
「大したことじゃない。俺にはこれしか出来ないから」
「これしか出来ないって……これって、結構スゲェぜ?」
「そうでもない。俺はフェイカー(贋作者)だ。偽物しか造れない。本物を創る才能は無いんだ」
俺が創り出す物は全て贋作。
本物に近い。だが、決して本物にはなれない贋作しか俺は生み出せないんだ。
「って事は
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