四話 迷子の子猫ちゃん
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前を教えてくれないか?」
「名前?」
「あぁ、一緒に友達を探してくれてるお前らの名前を知らないなのは変だろ」
そう言うと男達は順番に。
「……ガストン」
「ラチンス……」
「カン……バリー」
大柄で、恐そうな顔のガストン。
細身で、ビジュアル系のラチンス。
小柄でマッシュルームヘアーのカンバリー。
よし、覚えた。
「ガストン、ラチンス、カンバリー。
俺の名前は衛宮 士郎。よろしくな」
男達は俺の名前を聞くと「エミヤシロウ?」「変な名前だな……」「どっかの貴族か?」と首を傾げた。この異世界の人は俺の名前を聞いて変な名前だと言ってくるが、こうも何度も変な名前だなと言われると流石に心が折れそうだ。
「貴族でも無ければ変な名前でもない。あと、俺の名前は衛宮・士郎だ。士郎って呼んでくれ。頼むから」
「おぉ、解った」
「シロウ、シロウ、」
「やっぱ、変な、名前だな」
変な……名前じゃない。俺は普通の名前だ。俺からすればお前らの名前の方が変だからな、と言いたい気持ちをぐっと抑え。
「はい、自己紹介終了。
道案内を頼む」
「「「逃げた」」」
「なんに逃げたんだよ!?」
こうして、俺達の距離感は最初に比べれば少し縮まった。
でも、話してて思う。価値観のズレを感じる。
コイツらにとっての当たり前は俺の常識と違う。そして、俺の当たり前はコイツらの常識には当てはまらない。なかなか共通の答えを得られないのだ。
あの氷のオブジェクトは流石に非常識と互いに認識していたが、それ以外はどうも合わない。
見慣れない身なりと、聞き慣れない言葉と名前。
それは互いに存在するし、互いに疑問に思っている。でも、それをどうやって相互理解できるか……これが悩みどころだ。
「なぁ、シロウ。さっきの剣はどっから出したんだ?」
カンバリーは俺の頭から爪先を見て言った。
「見る限りだと、隠してるようには見えねぇな」
ジーッとカンバリーは俺の顔を見つめてくる。いや、そんなに見つめられても答えは出ないぞ。
「企業秘密だ。黙秘権を行使する」
「黙秘権?」
反応からするに、黙秘権も初めて聞く言葉らしい。この調子だと人権も無さそうだ。
「要するに、応えなくないって事だ」
「えぇー。いいじゃん、教えてくれよぉ」
「駄々をこねても言わないぞ。お前にも言いたくないことがあるだろ」
「じゃあ、俺の秘密を教えたらシロウの秘密を教えてくれるか?」
「いや、なんでさ」
なんか無茶苦茶な事、言ってませんかね?
「カンバリー、あんまシロウと仲良くするんじゃあねぇ」
そう言ったのはラチンスだった。
「なんでたよ?」
「今は、ソイツは俺達を雇う形で手を組んでいるが、そ
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