四話 迷子の子猫ちゃん
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握られていた。
「お、お前……その剣……どっから?」
「オメェ……もしかして、魔道士か?」
「それとも……手品師?」
投影魔術の一部始終を見ていた男達の反応は何とも言えないものだった。
「どれも外れ。俺は、魔道士?じゃない。普通の流れ者だよ」
「普通の……流れ者?」
「普通の流れ者が……こんなの出来る訳ねぇだろ」
「うさんくせぇー」
「うるさい。俺は、普通の流れ者。お前等はその普通の流れ者に雇われた案内人、それでいいだろ?」
そう言うと三人の男達は黙り込んだ。余計な詮索はするな、という意味を理解してくれたらしい。
「じゃ、まずはこの人からっと」
凍り付いた男を二本の剣で斬り裂いた。
氷はパキパキっと砕け、自由を取り戻した男は「た、助かったァ……」と言いながら倒れ込んだ。
よし、この調子でどんどんやっていこう。
……。
………。
……。
男達は震えていた。
まぁ、氷漬けにされてたんだ。当然と言えば当然か。
「大丈夫か?」
「ぁぁ……助けて、くれて、あっ、りが、とう」
ガクガクと震えながら、なんとか声を発する男。他の男達はガクガクと震えていて喋れない様子だった。
「何が、あったんだ?」
「お、女っ」
「女?」
「銀、髪の、女だっ。アイツが、」
銀髪の女?もしかして、いや、まさか。
「その女の人って長髪で、全身白色の服だったか?」
「ぁあ、」
これは……どうや、これをやった張本人はエミリアのようだ。
「OK解った。で、その娘はどっちに進んだ?」
男は震えながらも目の前の別れ道に指をさす。その方向は左。エミリアはこの別れ道を左に進んだという事だろう。
「ありがと。これ、冷めてるけど皆で食べてくれ」
買い物袋から大判焼きを四つ取り出し、四人の男達に手渡していく。
「教えてくれてありがとう。じゃあ、」
そう言い残し、俺は目の前の別れ道を左に進んでいく。
すると。
「お、おい」
三人の男達の内の一人は。
「なんで、コイツらを助けたんだ?」
と意味の解らない質問をしてきた。
「なんでって……普通、人が困ってたら助けるだろ」
普通の質問を普通に返すと男達は俺の顔を見て。
「コイツらは、お前の探してる知り合いを襲ったんだぜ?」
「やられて、当然だ」
「アイツらは殺されても文句は言えねぇぞ」
男達は必死になって言ってくる。
「いや、それはそうかも知れないけどさ。アレはやり過ぎだろ。あとで叱ってやらねば」
「「「……」」」
男達は黙り込んだ。
あれ。また、俺は変な事を言ったかな?
そんな変な事は言ってないと思うが……あっ。そういや、名前を聞くんだった。
「なぁ、お前達の名
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