四話 迷子の子猫ちゃん
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ここは、何処?
気付けば、フェルトとシロウは居なくなっていた。少し、ほんのちょっとよそ見をしていたら見失ってしまった。
「これって……私、迷子なのかな?」
エミリアは周囲を見渡し呟いた。
周りは似たような建物ばかりで、元の道に戻ろうにも何処から来て、どうやってここまで来たのか解らない。
なら、進んでみようか?
とエミリアは勇気を出し前進しようと試みるが。
「どうしよ……どっちに進めばいいの?」
目の前には二本の別れ道。
右と左に別れており、どっちに進もうか悩まされる。
エミリアは「うーん」と数秒悩み。
「よし、こっちにしよっと」
左の別れ道を進んだ。
そして、左の別れ道を進むと、またもや二本の別れ道。エミリアはまたもや悩まされる。
「さっきは左に進んだから……今度は右かな?」
っとなんとなくの直感でエミリアは右の別れ道を選択し進んだ。
*ここで左を選択していればフェルトと士郎に追いつけていた*
進めど進めど景色は変わらず、相変わらず、同じで道を歩かされているみたいな感覚。でも、ちょっと楽しいかも。とエミリアは思っていた。
貧民街の街並みは似たような通り道が多く、初めて訪れた者は必ず迷うように作られている。
その理由は単純で、迷ってしまった人を恐喝する為だ。
手口は簡単「ここから出たけりゃ、手持ちの金と食いモン全部、置いていきな」と脅迫し無理矢理、お金と食糧を提供させてもらう。そうすることで、貧民街の一部の住民は生計を立てている。
ということは。
「ニッヒヒニヒ」
エミリアのその標的になることは必然的に決まっていた。
突然、エミリアの周りを囲むように四人の男が現れた。
四人の男達全員はマントで全身を覆っていて顔は見えない。だが、鍛え抜かれた筋肉と生々しい傷跡、それに手に持ったナイフを見てエミリアはこの状況は異常だと判断した。
「貴方達、私に何か用?」
エミリアは声のトーンを落とし、四人の男達を警戒する。
「うぉ、今回の獲物は上物じゃん♪」
「へへっ。久しぶりの女だな」
「あの身なりは相当、上物だぁ。こりゃあ高く売れるぜぇ」
「早く、やっちまおうぜ。オイラ、我慢の限界だよぉ」
男達はエミリアを見て下衆な笑みを浮かべる。
「そこをどいて、」
「ァっ?」
「聴こえなかったの?
そこをどいて、」
エミリアは目の前の男を睨み付ける。すると男の足は数歩ずつ引いていった。
「ありぃ?」
男は自然と引く、自分の足を見て変な声を出す。
「なーに、ビビってんだよ」
「い、いや。足が勝手に、」
「ガタガタ震えてんじゃん」
「ち、違う。足が、勝手に!?」
「冗談は顔だけにしとけよ」
「いや、ホントだ
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