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Re:ゼロから始める士郎の生活
三話 貧民街
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した。
 だからか、かな。俺は目の前の三人組の行動を見てクスッと笑った。
 「テメェ……なに、笑ってんだよ」
 「いや、なんでもない。ちょっとした思い出し笑いだと思ってくれ」
 気付くと、三人組の男達は俺から距離を取っていた。
 これは、あの時と同じで警戒されてるようだ。ジリジリとほんの少しずつ後ろに下がっている。
 「そんなに恐がらなくてもいいだろ?」
 「は、ハァッ!
 誰が、テメェを怖がってんだよ!」
 「いや、お前達以外に誰が居るんだよ」
 「テメェなんか、ラインハルトに比べればちっとも怖かねぇよ!」
 「ラインハルトかぁ。アイツが剣を振るう所は見たことないな。剣聖って呼ばれる位だから無茶苦茶、強いんだろうな」
 「なに、当たり前の事、言ってんだ!
 ラインハルトは最強の騎士だぞ。テメェみてぇな甘ちゃんとは比較にもなんねぇよ!」
 三人の男達は交互に言葉を返してくる。
 なんか、ちょっと面白い。
 でも、今はエミリアを探さないと。こんな所で道草くってる場合じゃあ……。
 「なぁ、お前らってここら辺の道は詳しいか?」
 「あっ?」
 「俺の知り合いが、ここら辺で迷子になったんだ。その知り合いを探してる最中なんだけど見つからなくて」
 「人探し、だと。はっ、俺達の得意分野じゃねぇか」
 人は見掛けによらず。三人組は人探しのスペシャリストらしい。
 「ホントか!
 なら、手伝ってくれないか?」
 「アホか。俺達は暇じゃねぇんだ。誰が、得にもなんねぇ事するかよ」
 男達はうんうんと頷き、「俺達は忙しいんだ」「暇じゃねんだよ」と似たり寄ったりの言葉を並べてくる。
 確かに、何のメリットも無しに助けを求めても断られるのは当然だ。メリット無しで、好き好んで人助けをするお人好しなんて普通はいないだろう。
 「じゃあ、手伝ってくれたら報酬をやるよ」
 そう言うと男達はピクッと反応した。
 「その、報酬っつうのはなんだ?」
 どうやら報酬に興味津々のようだ。
 「そうだな。今の手持ちで無難なのは……」
 肩に掛けていた買い物袋を漁り、適当な物を取り出す。
 そして、出てきた物は。
 「うっ、牛肉」
 ここで引きたくないものを引いてしまった。
 今日は特売で安くていい牛肉が買えたんだよなぁ。
 男達は、買い物袋から取り出された牛肉を凝視し、近付いてくる。
 まずい、このままだとこれが報酬になってしまう。
 「そりゃ……なんだ?」
 「牛肉だよ」
 「牛肉……?
 んだ、そりゃ。初めて聞く名前だな」
 「え、じゃあ聞くけど。牛は知ってるから?」
 「いや、知らねぇ」
 どうやら、この世界には牛が存在しないかも知れない。
 もしかしたら、リンゴの時と同じで別の名前で広まっている可能性も
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