0093話『旧第十六駆逐隊のとある子の不満』
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……? ユキは自己評価が低いのよ」
「そうでしょうか……?」
うん。私もそこには賛成しておきたい。
雪風はうちの最終バッターだからな。
霞と一緒にいつもだいたいはラストを決めてくれるからね。
「まぁともかくな。うちも早く改二になりたいんよ」
「そうは言っても大本営が全決定権を持っているから私が何かをしたとしてもどうにもならないことだし……来るのを待つしかないのだから我慢するしかないんじゃないか? ほら、そんな事を言ったら夕雲型のみんなだって誰も改二は来ていないじゃないか?」
「夕雲型はまだ伸びしろがあるからええやん。陽炎型は器用貧乏なところあるからなぁ……」
それでまた黒潮は机にカエルのように伸びをしていた。
「……そう。そんなに改二になりたいんなら大本営にお願いでもしてみる……?」
「いやー……そこまでして改二になりたいかというと迷いどころなんよね」
「はっきりしないわね。まったく……」
それで何度目かになる溜息を吐く初風。
それとは一方で雪風は自身が改二になったらどうなるだろうと予想しているのかどこか上の空だった。
そして次に言った言葉で室内の温度が少し下がる事になるとは思わなんだ……。
「雪風がもし改二になるとしたら……響さんがヴェールヌイさんになったみたいに丹陽になってしまうのでしょうか……?」
どこか雪風は寂しそうに笑う。
これはいかんな。
雪風が急に気落ちしている。
ヴェールヌイも今も少しだけ日本艦でいたかったという気持ちがあるのだから雪風もそう思うのは仕方がない事実なのであった。
それを初風も感じ取ったのか雪風の背中をさすりながらも黒潮を睨んで、
「黒潮姉さん……ユキを悲しませるようなことは言わないでくれる?」
「……え? 雪風の改二の話は雪風自身が話し出しt『なにか……?』いえ、スミマセン。ナンデモナイデス、ゴメンナァ……」
初風のきつい睨みで黒潮はたちまち顔を青くして雪風に平謝りしていた。
それで雪風もようやく現実へと戻ってきたのか「ど、どうしました……?」という天然ぶりを発揮していた。
先程のは無意識領域での雪風の思い出だったか。
一人で孤軍奮闘した話が多いからなぁ……。
「雪風。そう焦ることは無い。まだまだ改二実装は遠いだろうがどうにかなるだろう」
「はい! わかりました!」
「ううぅー……雪風の笑顔がまぶしすぎてうちの心が汚れているみたいや。……そうやね、焦っても仕方がない。いつか来るのを願って待ってるのが得策やね」
「ま、そうね……」
それで初風もようやく黒潮に同意したのか合いの手を入れていた。
雪風はどういった事態でこんな展開になったのか分かっていないのか首を傾げていた。
「ユキ
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