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楓馬は黒ウサギ達を店内に案内しようとしたが、
「いぃぃぃやほぉぉぉぉぉぉ! 久しぶりだ黒ウサギィィィィィ!」
変態がとんできた。戸惑う黒ウサギを、店内から飛び出して来た和装の白髪少女が抱きつき……いやフライングボディアタックだ、あれ。とにかく衝撃でゴロゴロと転がりながら街道の向こうの浅い水路まで吹き飛ぶ二人。あらら、落ちた。
「おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか? なら俺も別バージョンで是非」
「ありません」
「なんなら有料でも」
「やりません」
真剣な表情の十六夜と、真剣にキッパリと断る女性店員。水路では顔を真っ赤にした黒ウサギの豊満な胸に顔を摺り寄せてる和装ロリータ。
さて……どう収拾をつけようか?とりあえず……
楓馬はハリセンを手に持ち和服ロリータ……もとい、オーナーに近付き、
「………このっ………変態オーナーがっ!」
バシィィィィィン!!!
思いっきり叩いた
「○◎〒▽○◇▼◎♀仝▽☆●◆□■■♀!!!」
オーナーである和服ロリータは声にならない叫び声をあげてどこかに飛んでいった。
数分後、
「あらためて自己紹介をしようかの。私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構えておる
”サウザンドアイズ”幹部の白夜叉だ。以後見知りおいてくれ」
店の前での騒動をどうにか収め、黒ウサギ達は和装の少女―――白夜叉の私室に通されていた。なんでも、白夜叉や楓馬は黒ウサギとは知り合いらしく、閉店後の”サウザンドアイズ”の支店に入れたのも彼女のおかげだった。白夜叉の自己紹介に聞き慣れない単語があったからか、耀が首をかしげる。
「外門って、何?」
「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若いほど都市の中心部に近く、同時に強力な力を持つ者達が住んでいるのです。因みに私達のコミュニティは一番外側の七桁の外門ですね」
黒ウサギの説明に、十六夜達はなるほどと頷く。箱庭都市は言うなら、巨大バームクーヘンみたいなものだ。そして一番外側のバームクーヘンの皮が、いま自分達がいる場所だ。
「そして私がいる四桁以上が上層と呼ばれる階層だ。その水樹を持っていた白蛇の神格も私が与えた恩恵なのだぞ」
そう言って、白夜叉は黒ウサギの横に置かれた樹の苗を指差した。この水樹は十六夜が箱庭世界の果てを見に行った際に水神に挑まれ、一蹴した際に貰ったギフトだ。
「へぇ? じゃあお前はあの蛇より強いのか?」
「ふふん、当然だ。私は東側の”階級支配者”だぞ。この東側で並ぶ者がいない、最強の主催者だからの」
それを聞いた途端―――十六夜・耀・飛鳥の三人が立ち上がった。
「へえ。最強の主催者か。そりゃ景気の良い話だ」
「ここで貴女のゲームをクリアできれば、私達は東側で最強のコミュ
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