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「今の鳴き声……初めて聞いた」
「ふむ……あやつか。おんしらを試すには打って付けかもしれんの」
湖畔を挟んだ向こう岸にある山脈に、チョイチョイと手招きをする白夜叉。
すると体長5mはあろうかという巨大な獣が翼を広げて空を滑空し、風の如く自分達の元に現れた。鷲の上半身に、獅子の下半身。まさか、この獣は―――
「グリフォン……嘘、本物!?」
「フフン、如何にも。あやつこそ鳥の王にして獣の王。"力""知恵""勇気"の全てを備えたギフトゲームを代表する獣だ」
「新人には丁度いい相手ですね」
普段は大人しい耀が珍しく歓喜と驚愕を表情に浮かべていた。そんな耀に自慢する様に白夜叉が言うと、彼女が持っていたカードから一枚の半皮紙が現れた。
『ギフトゲーム名"鷲獅子の手綱"
プレイヤー一覧:逆廻十六夜、久遠飛鳥、春日部耀、八雲楓馬
・クリア条件 グリフォンの背に乗り、湖畔を舞う。
・クリア方法 “力”“知恵”“勇気”いずれかでグリフォンに認められる。
・敗北条件 降参、またはプレイヤーが上記の勝利条件を満たせなかった場合
宣誓。上記を尊重し、誇りと御旗と主催者
ホスト
の名の下、ギフトゲームを開催します。
“サウザンドアイズ”印』
「あの……オーナー、何故私も入っているのでしょうか?」
「あ……テヘ☆」
「…………えぇ〜」(いつか仕返ししてやる)
「私がやる」
半皮紙の記述を読み終わると同時に、耀は真っ先に名乗り出た。その眼は探し続けていた宝物を見付けた子供の様に、キラキラと輝いていた。
「大丈夫か? 生半可な相手には見えないけど」
「大丈夫、問題ない」
「ニャウ、ニャア」
「大丈夫だよ、三毛猫。楓馬、三毛猫をお願い」
心配そうに鳴く三毛猫を受け取りながら、耀を見送る。あとは信じて待つしかない。耀はグリフォンに近寄り、慎重に話しかけていた。
「初めまして、春日部耀です」
ピクンッ!! とグリフォンの肢体が跳ねた。瞳から警戒心が薄れ、僅かに戸惑いの色が浮かぶ。動物の言葉が分かる耀のギフトは、幻獣が相手でも問題ないらしい。
「私を貴方の背に乗せて、誇りをかけて勝負しませんか? 私が負けた時は……貴方の晩御飯になります」
「か、春日部さん!?」
「正気なの!?」
「おんしらは下がっておれ。手出しは無用だぞ」
「その通りです」
突然の宣言に、驚く黒ウサギと飛鳥。だが白夜叉と楓馬是非を言わさぬ冷たい声に制される。そしておもむろに手を一振りすると、湖畔に鳥居の様な門が現れた。
「そこからグリフォンの背に乗り、山脈を一周する。最後まで振り落とされなければ、おんしの勝ちとしようかの」
「分かった」
耀は短く頷くと、なお
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