第一部 ケイオスクルセイダーズ
第一章 紅霧異変
12.エンハンサー
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
!まさか、これがDioの言っていた、スタンドパワー?)
「記憶がある頃、私が辿り着いたスタンドの極致。『スタンドを纏う』。簡単そうで、未だに誰もやっていないこれは、スタンドの固有能力も変わらずにステータス値がすべてを振り切るというものよ。名前はまだ無い「いや、ある」……何ですって?」
丞一はふらつきながらも、眼光だけは鈍らせず咲夜へ睨みつけた。
「名前は、ある。そして、その極致に真に至ったものは固有能力を『捨てる』ことによってステータス値をあげることが出来る!」
「なっ!?」
「そしてなにより、その状態になるとあまりのスタンドパワー故にスタンド使い以外にもその姿が見えるということだ」
「百歩譲ってそうだったとしても、なぜあなたが知っているの!?」
咲夜の言葉を無視し、丞一は空間を操り黒いソフト帽を取り出し、被る。そして、咲夜同様にスタンドを引っ込め、スタンドパワーを跳ね上げた。
「これを習得する条件は四つ。
一つは、スタンドパワーを自在に操れること。
二つが、スタンドを纏えること。
三つが、己自身の構造をよく知ること。
最後が、河童と八雲紫印の特訓用具で特訓することだ」
丞一がスタンド展開すると、そこにはいつも傍に這い寄る混沌はそこにいなかった。
代わりに、L字のベルトが巻かれていた。
「見せてやるよ。俺のスタンドCQCエンハンサーを!」
そういうと手慣れた手つきでUSBメモリのようなものを上の突起部分に挿した。
溢れ出て放射されていたスタンドパワーは次第に丞一の元へと集まっていき、丞一を包み込んでいった。
それは、体の再構成。自らを再構成させることにより最も戦闘に適した体へ変化させる。フルフォースフォーム。
「一つ、親父が死んで心のどこか姉貴に頼りきりで依存してしまった」
完全完璧瀟洒の超人といえども、まだ子供だったのだ。それに精神的苦痛を感じなかったわけがない。
「二つ、家族がいなくなったからといって生きることを諦観してしまったこと」
諦めてしまった。今はこうして会えているからいいものの、一歩間違えれば首を吊っていた。
「三つ、家族を守れなかったこと。そして、失ったものを取り返そうとする努力をしなかったこと」
丞一は紫に言われるまでこの幻想郷へ来なかった。それは努力をしなかったことに変わりはない。
「俺は自分の罪を数えたぜ、姉貴、いや姉さん。
──────────さあ、お前の罪を数えろ!」
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ