暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
溝-グレイヴ-
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目を背け、そっけなく適当に言い返すシュウに、マチルダはイライラを強めた。
「愛梨さんのことが、忘れられないの?」
その怒りを遮らせるように出てきたテファの問いに、シュウがピクッと身を震えさせる。
「アイリ?」
聞きなれない名前にマチルダは首をかしげる。しかし、シュウは二人に向けて返事をしない。何かあるなと、マチルダは思った。アイリという名前、どうもシュウと関係があると見た。
「……」
目を合わせないシュウを見て、テファは図星を突いたと確信を得る。
それと同時だった。今度はサイトが部屋を訪れてきた。
「シュウ、目が覚めたのか!」
「平賀…」
サイトの後に続いてハルナ、ルイズそしてもう一人覚えのない男が来訪した。
「あんたは…?」
「春野ムサシ。あたしたちとはそれぞれ違う異次元からきた人だ」
そう言ってハルナがムサシを紹介する。ふとシュウは、まだ数えるほどしか会ってないとはいえ、以前と比べてハルナの態度が違うことに気がついた。
「…お前、高凪か?妙に態度が違うようだが」
「あ、あ〜…それなんだけど、後でおいおい説明するよ。けど、それよりもお前に何があったのか、聞かせてくれよ。お姫様の前で」
少々面倒くさくなるので、サイトはハルナ(今はアキナだが)が二重人格者となったことは後回しにさせ、シュウの身にいったいこれまで何が起きたのか、それは別の場所で話をさせることにした。



学院の塔内にある客間。
アンリエッタも実はこの学院に来ていた。彼女もまた、ウルトラマンであるシュウの無事と、同時に報告された闇の巨人による魔法学院の襲撃の件を聞き、自分もこの目で現場を見なければならないと考え、サイトらと共にここへやって来たのである。傍らにはアニエスも帰りの護衛として同伴していた。そしてこの場に、ルイズやジュリオも呼び出されていた。リシュは着いていくとぐずっていたが、子供がこのような大事な会合の場に出すのはふさわしくないので、いったんシエスタに預けている。
「サイト、ご主人様が迎えに来るようにって言ってたのに他の方を優先するなら、せめてちゃんと一言言ってからにしなさい。しかも…私に内緒でハルナと一緒に…」
一方で、そのルイズは不機嫌そうにサイトに問い詰めてくる。学院の修繕作業には、在学している生徒たちも参加している。ルイズも当然参加していたのだが、アンリエッタの呼び出しの前にサイトがシュウの見舞いに自分を呼ばなかったうえに、ハルナと一緒に同伴させていたのがちょっと気に食わなかったらしい。
「お前忙しそうだったし、あんまり邪魔したくなかったんだよ。まぁ…何も言わなかったのは悪かったよ。でも、なんでハルナと一緒なのを気にするんだ?」
「〜〜〜!!」
「…はぁ…」
変なところで鈍感さをさらけ出し、全く乙女心を察してもらうことも
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