0092話『改二に向けて……菊月の不安と悪夢』
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
瑞雲浴衣祭りが終わってから一日が経過した。
もう今後の瑞雲企画は当分は未定らしくうちの艦娘達も落ち着きを見せてきていた。
特に日向なんかは国規模で盛大に瑞雲祭りを楽しんだのか少しばかりだが満足そうに笑みを浮かべながらもいつもの決め台詞である
『まあ、そうなるな』
と、呟いているとかなんとか。
私も私で滅多に着ないであろう浴衣を着て楽しむことができたのでよかったと思っている。
《提督。仕事も通常業務に戻りつつあるみたいです》
「そうだな、榛名。これで少し停滞していた駆逐艦強化月間を再開できるな」
《そうですね。……今回の瑞雲浴衣祭りでは残念ながら睦月型の誰かに改二が来るのかは話されませんでしたが、きっと提督なら大丈夫ですよね》
「ああ。なんのために先月から頑張ってきたのかを思い出せばあまり苦ではなかったからな」
それで思い出す。
先月に発表された睦月型の改二の情報が出たと同時に改二艦以外は改にした後はほぼ今まで手付かずだった睦月型の子達の錬度上げを本格的に始めたのを。
うちの育成方針は普段はそんなに切り詰めていない。
せいぜい演習と遠征で間に合わせて後は備蓄がほとんどなためだからだ。
だけど深海棲艦が攻めてくるだろう来月に控えて備蓄をするのならまだいいのだけど、本格的にリランカ島で集中的に錬度上げを始めていたのだ。
そして気づいたらいつの間にか今現在錬度上げ中の菊月を除いて睦月型の面々は最低ラインの70まで錬度上げを完了していたのだ。
「きっと間に合わせるさ」
《その意気です提督》
榛名とそんな話をしながらも執務をしていると扉がノックされる。
誰だろうと思いながらも招き入れるとそこには菊月の姿があった。
「司令官……少しいいか?」
「どうした菊月? なにか不安な事でもあったのか……?」
どこか不安な表情を浮かべている菊月の表情を見て少し大事になりそうだなと思いながらも冷静に菊月に問いかける。
それに対して菊月は少し口ごもりながらも、
「司令官……。私は常日頃から不安に感じることがたまにあるんだ」
「またどうして……?」
「よく夢を見るんだ」
「どんな……?」
「皐月や文月、望月に三日月……私の姉妹たちが次々と轟沈するような、そんな悲しい夢を……」
菊月のそんな話を聞いて身構えておいて正解だったなと思う。
もし軽い気持ちで聞いていたらきっとうまく対応できないで菊月を傷つけてしまうかもしれないからだ。
「そして……最近で一番夢に出てくるのは……司令官、あなたが私達を庇って轟沈してしまうというものなんだ。
嫌なんだ……そんな夢を見たくないのにすぐに不安に駆られるとそんな悪夢を何度も見てしまう……。
こんな話は睦月達にはさすがに相談できない……それで私
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ