第二十五話
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…………あれ?冬華?」
俺は園崎 冬華の顔を思い出そうとして、あることに気づいた。
確かに、俺はそいつを見たことがあった。しかし、何故か気づかなかった。まぁ、俺って人の名前と顔を覚えるのが苦手だし、そうなるとも必然か。
「なぁそいつって……。」
俺が拓海に答え合わせをしようとしたときだった。
「たっっっくみくーーーーんっぽーーーーい!!」
俺と悠人の目の前をものすごいスピードでなにかが通った。そのなにかは、拓海にぶつかったかと思うと、拓海はそれを受け止めていた。
……いや、止めきれずに軽く吹き飛ばされてしまっていた。
「ちょ、危な」
そして、拓海とそいつは、三〜四メートル位飛んでいた。どんな勢いだよ。
さて、ここは防波堤。そんなところで立ち話してた俺ら。
そこから三メートル吹き飛んだらどうなるでしょうか?
バッシャーン!!
物凄く大きな水飛沫が上がった。
案の定、拓海たちは海に落ちていった。
「おーい、大丈夫かー?」
一応声を掛けてみたが、まだ上がってきていない。
一応俺らは艦娘になってからは水泳や救助法なども練習するから、恐らく大丈夫だろう。
「ぷはぁ!」
「ぽいぃ!」
あ、上がってきた。
「取り合えず、これにつかまれ!」
いつの間にか悠人がどこからかロープを持ってきて、下に垂らしていた。
「ほら、冬華。先に上がって。」
「そうやってパンツ見る気なんでしょ?そうは行かないっぽい!先に上がってっぽい!」
「そんなの今更でしょ。こないだ大敗したときに千尋にいくらか見られてるってば。」
「やだ。」
…………なんだこの痴話喧嘩。俺達は何を聞かされてるんだ。
「悠人。ロープ上げろ。」
「あいよ。」
「ちょちょちょ!」
「待ってっぽい!」
慌ててロープに掴まった二人。俺と悠人はそのロープを引き上げた。
「全く……気を付けろよ、夕立。」
俺は今では完全に思い出していた。
「えへへ……嬉しくって。」
恥ずかしそうに頬を掻く夕立
夕立は園崎 冬華だった。
ほんと、なんで今まで気づかなかったんだろうか。
「取り合えずお前ら、シャワー浴びてこい。」
俺はずぶ濡れになった拓海と冬華に向けてそう言った。
―三十分後 食堂―
「しかし、まさか夕立が冬華だったとはなー。気づかなかった俺も俺だけどさ。」
現在、六〇〇〇。俺達はまだ間宮さんしか居ない食堂で朝飯を食っていた。
「ほんとっぽい。ここでは自分の
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