第二十五話
[1/6]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
―防波堤―
「いやー、すげぇキレーな夕焼けだな!こんなの毎日見てんのかよ!」
「「……………。」」
俺と拓海は二人して絶句した。こいつ、バカだバカだとは思っていたが、ここまでバカだとは………。
「悠人?今は朝だよ?」
「別にいいんだよ。俺が夕焼けって勝手に思っとくからよ!」
さっき会ったときから妙に悠人のテンションが高い。元々バカみてぇに高いとは言え、流石に高すぎる。
「なぁ拓海。もしかしてこいつ、徹夜明けか?」
「う、うん。何でもおやっさんに呼ばれたらしくて………。」
「あー………おやっさんなら仕方ねぇか。」
おやっさんと言うのは悠人の父親のことだ。職業が職業なので、悠人もよくそのシゴトを手伝うことになっている。因みに、俺と拓海もそれに何回も付き合っている。正直、勘弁してもらいたい。
「ま、お陰でそこそこのお小遣い貰える訳だしね。」
「勝手に人の心を読むんじゃねぇ。」
しかし、こいつらが相変わらずな感じでホッとした。寂しがったりしてないかなとか、俺が居ない間に暴走してたらどうしようかと。
「んで?なんでお前らがここにいるのか説明してくれるんだろうな?」
俺は少々腹を立てながら悠人と拓海を睨み付けた。
すると、拓海が話し始めた。
「僕は研修、悠人は面会。」
「研修?面会?」
なんのことやら全く分からない。いや、まだ面会は分かる。恐らく俺にこいつらが会いに来たんだろう。ちくしょう嬉しいじゃねぇかよ。
気になるのは研修という言葉だ。なんの、と言うか誰の?
「面会は悠人で、あいつは千尋への面会ってことでここに来たの。」
と言うことは…………。
「お前が研修ってか?なんのかは知らねぇけど。」
そう言うと、拓海は少し笑って、
「いやね?ここの提督になる勉強中でね?週に一回はここに来てるんだ。」
と言った。
成る程、提督なら確かに研修がいるな。
「つーことはなんだ?俺が艤装を見つけた時には既に知ってたってことか?」
「そうだね。口止めされてるから、話そうにも話せなかったからね。流石に駆逐イ級に吹き飛ばされたときはびっくりしたけど。」
「そうかそうか、それは大変だったな。」
「「ふっはっはっはっはっはっ(棒)。」」
そんな感じで俺と拓海は乾いた笑いを浮かべていた。
「いやいやいやいや!お前らちょっと待てやこら!?」
すると、防波堤から朝焼け――悠人に言わせれば夕焼け――をダンディ(爆)に見ていた悠人がこっちに来た。
「拓海はともかくなんで千尋は驚きすらしねぇんだよ!俺なんか聞いた時に腰抜かす
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ