第19話『剣の時代が終わる時〜ナヴァール騎士団全滅!?』【Aパート 】
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痛覚の前に気づいたのは、一人の若者の……負傷。
なんという威力なのだ?鍛え上げた身体どころか、鍛えた鉄の甲冑と盾をまとめて貫くとは?
体中に走る、焼けつくような痛み。
瞬く間に前進をせき止められたナ ヴァール騎士団は、陣形の『槍』をくじかれた。
そのようなみじめな光景にも拘わらず、オリビエは冷静に対応策を練りだしていた。
「第一陣は私と共に!側面から先頭部分を切り崩す!」
それは、敵の『槍』の矛先を、付け根を狙うオリビエの算段だった。
側面から噛み千切り、前後の挟撃にて銀の逆星軍を瓦解させようとするもの。
しかし、グレアストにとって左右からの奇襲は織り込み済みだった。
副官たる彼の『算段』を、鉄の『散弾』にて撃ち砕いてくれよう――
「三日月――第二陣構え」
再び告げるは水平射撃の命令。第一陣がもたらした赤白い蜂の成果に、グレアストは少々満足していた。
これから見せてくれるであろう――地獄のような光景を、彼は楽 しみにしていた。
「撃て」
なおも続く斉射の号令。
容赦のない無慈悲な用兵を用いるグレアストの戦略。
剣の時代における『夜』と『闇』と『死』の狂葬曲、その初戦に過ぎなかった――
【Bパ−トへ続く】
予告――
足を撃ち抜く鉛玉に、止まるロランは無念の死を覚悟する――
しかし――
何故……お前たちが?
何故だ?
もはや動けぬロランの前に、次々と仁王立ちする配下の騎士達。
間断なく放たれる鉛玉に、その若き生命を散らしていく――
声をかけたかった。でも、轟く『銃声』の中ではその『声』さえも届かないだろう。
俺が守りたかったもの。陛下と民と同じくらいに大切に守りたかった、共に時代を生きたいと願ったお前達が
――――何故!愚策を施した俺などを守って死んでいく!?――――
俺はブリューヌの騎士だ。
民を護り、陛下の敵を殲滅し、騎士の時代を導く『先導者‐アンリミテッド』だ。
俺は護る側の人間だ。なのに――
どうして、俺は護られているんだ!?
どれだけの無念に伏しようと、お前達の『勇星』は消えた――流星のように。
蜂巣砲‐フレローリカ。
まざまざと突きつけられた『時代の変化の現実』に、ロランの心は蜂巣と化してしまうのか?
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