第19話『剣の時代が終わる時〜ナヴァール騎士団全滅!?』【Aパート 】
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しれない鬼謀を持つ『観察官―オブサーバー』は笑みをぶつける。
「我らを正式に国家反逆者に認定したため、ナヴァール騎士団が討伐の任を受けて、こちらへ迫ってき ているのですよ」
「ナヴァール騎士団……最強の『槍』にして『盾』の彼らが動いたわけですな」
まるで世間話を語るかのように、両者は事実を確認し合う。
国民国家革命軍であるこの軍――銀の逆星軍の名称は、とある敵将から送られた称号に対して嫌味を込めて作成されたものだ。
『流星落者―シーヴラーシュ』……流星さえも打ち落とす者。
せいぜい国内勢力と牙を噛み合ってほしいという意志の表れなのだろうが、テナルディエとガヌロンは侮蔑の一言を突きつけたという。
――流星を打ち落とすのは『流星落者』ではない――『逆星』だと
新たな時代の『槍』は弓ではない。銃だという認識を強めるものだった。
「――ではさっそく参りましょうか。 私たちはこれから、その最強の『槍』であるナヴァール騎士団を討ちに行くのですから」
スティードの背筋は凍り付いた。
――あの精強で最強の騎士団を討ちに?本気で言っているのか?
口で言い表すだけで、予想をはるかに超える過酷な任務だ。
ブリューヌは前例に見ない戦火に包まれようとしている。内と外、そのどちらにも敵が存在する。
本来なら、今頃のムオジネル、ザクスタン、アスヴァールは虎視眈々とブリューヌの大地を狙っているはずだ。
しかし、そのような飢狼どもは、今でこそ目立った動きを見せていない。
まるで――嵐の前の静けさの環境が、ブリューヌ全土を覆いつくすようでもあった。
グレアストは独り言のようにつぶやいた。
「ロラン卿――どちらが時代最強の『槍』かを、思い知らせて差し上げる」
あの最強の黒騎士を文字通り『蜂の巣』にできる。そう思い浮かべると、愉悦が止まらないグレアストであった。
それは、かつてヴォルン伯爵討伐失敗の任に遂行できなかった『蜂牢獄―フレロール』への当てつけだったかもしれない。
【ナヴァール騎士団・ビルクレーヌ平原・銀の逆星軍より500アルシン先にて対峙】
この日、ナヴァール騎士団はブリューヌの命運をかけて、ビルクレーヌの戦場に姿を現した。
一人一人が精鋭という屈強な集団に、ナヴァールの名を知るものなら、誰も が対峙せずにいたいと思うだろう。
剣の時代において――ナヴァール騎士団こそが最強。そう誰もが謳いあげていた。
その集団の筆頭に立つ黒き風貌の男――黒騎士ロランは、馬を隣に並べて進む友人オリビエに語り掛ける。
「オリビエ、報告にあった『火を噴く槍』と『鉄の乳母車』というのは、あれのことなのか?」
「――おそらく。銀の流星軍を
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