460部分:第三十七話 呂布、張飛から貰うのことその六
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第三十七話 呂布、張飛から貰うのことその六
「そうでなくとも。常世という世界は」
「だ、大丈夫ですよ」
孔明は三人の話を耳にしてだ。不安になった顔になったがそれでもその不安を何とか押し隠しながらこんなことを言うのであった。
「それは。この世界にはいませんから」
「他の世界にはいるかも」
しかし鳳統が話す。
「そう。神楽さん達みたいにこの世界に」
「はわわ、そうなったら大変ですよ」
孔明は鳳統のその言葉に狼狽を見せはじめた。
「私達の世界が無茶苦茶になってしまいます」
「もう既に滅茶苦茶」
また呂布が言う。
「漢王朝の力が衰えてるし」
「それでなのです」
陳宮もだった。
「袁術殿には南部もなのです」
「けれど袁術はお化けが退治されない限り嫌だと言う」
「なら退治すればいいだろう」
「そうだよな」
趙雲と馬超が二人の話にすぐに突っ込みを入れた。
「その場合は」
「何ならあたし達がやらせてもらうしな」
「どっちにしろ袁術さんとは会わないといけないしね」
「そうよね。それはね」
馬岱の言葉に黄忠が頷く。
「だからここはね」
「袁術さんに提案してみようよ」
「ただ。袁家の人ですから癖の強い人なのは間違いありません」
「それは確実です」
孔明と鳳統はこのことを問題として述べた。
「ですからここは」
「何か考えて」
「贈り物を渡すといい」
呂布は言った。
「袁術に」
「贈り物!?」
「贈り物っていうと」
「恋は果物をあげた」
それをだというのだ。そうしてである。
「桃を」
「贈り物っていうとそんなのでいいの?」
劉備がすぐに呂布に問い返した。
「桃ならお店に」
「そう、それを贈る」
まさにそうだという呂布だった。
「袁術は蜂蜜水とかそうした甘いものが好き」
「じゃあここは?」
「甘いものを?」
「お店はそこ」
呂布は左手を指差した。するとそこに確かに店があった。果物屋である。葡萄や西瓜が置かれている。当然桃もである。
その桃を見てだ。劉備はまた言った。
「まさかあそこで桃を」
「そう、買って贈った」
「袁術殿はそのこと自体は喜んでくれたのです」
陳宮も話す。
「ただ、お化けはどうしてもと言って」
「袁術さんのところに人はいないのかしら」
劉備は少しきょとんとなって首を傾げさせた。
「関羽さんや張飛さんみたいな強い人は」
「う、うむ」
「お化けなのだな」
関羽と張飛はここでも少し戸惑ったような顔になってだった。
「そうだな。それはな」
「怖くとも何ともないのだ」
「本当?」
鳳統が少し怪訝な顔でその二人に問うた。
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