暁 〜小説投稿サイト〜
Society Unusual talent
6 酔狂
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?パキン...... ただでさえ刃渡りの短いバタフライナイフが更に小さく、そして切っ先を汚く崩壊させている。

少女は虚ろな暗く紅い目を見開いて驚愕し、櫛名から離れる。
破壊された己の得物を見るや、これで人を殺すのは??急所を狙うのはとても難しいことだと気付いたのか、少女はその場で震えだした。

櫛名は大蛇から降り、そんな少女にゆっくりと近づいた。今度は私の番だと言わんばかりに。
少女までたどり着いた櫛名は異変に気付いた。

震える少女の地面に、ポタリポタリと、大きな雫が落ちて跡をつくっているのだ。
この子はなんで泣いているのか、そう考えているうちに、少女はもっと子供が泣きじゃくるように大きな声をあげて泣き出した。

そんな少女を目の前にした櫛名はまた、何かを思い出し、震える手から刀が落ち、次に櫛名は少女の前に膝をつき、少女を抱き締めた。
私は何をやっているんだろう、何度もそう考えるなか、小さく、一度も発さなかった少女の声が聞こえた。

「おかあさん」
??「櫛名ァ!早くそいつから離れろっ!」

??刹那、サクでもグサでもない、それこそまるで、切っ先を破壊され刃渡りを短くされた汚い刃物で無理やり刺された音が櫛名の耳を疑った。

「え......」

一度じゃない、二度、三度、四度、五度六度七度八度??自分の得物を壊されたことがそんなに腹が立ったのか、少女は笑みも見せず、無言で不愉快そうに櫛名の左胸に力強く壊れたナイフを刺し込む。

驚きと大量の出血で動けない櫛名は何も言わずそのまま死を迎えた。

ボロボロの身体を起こし、今までにないスピードで櫛名と少女に近づき、少女に蹴りを入れた須佐之男は、何度も櫛名の名前を呼ぶも、疾うに喋ることも返事をすることもできない櫛名は何も言わない。
須佐之男は静かに涙を流し、櫛名の目を閉じ、抱き抱えて横になった。今までの思い出を楽しそうに、悲しそうに、辛そうに櫛名に問いかける。しかし、至って返事はない。

「自分、の昔のこと、を、思い出して、しまったんだな......?」

「......」

「虚ろな目を、見て、泣きじゃくる、のを、見て、耐えられなく、なって、しまったんだな......?」

意思を持たない少女はその話を聞いて皮肉にも悲しそうな表情をし、櫛名を抱き締め涙を流す須佐之男の首を汚いナイフで掻っ切った。
須佐之男は櫛名のことを思い、断末魔を叫ばず、静かに息を引き取った。

心臓の抉られた女と、首を切られた男を見て、少女は悲しそうに、死んじゃった、と呟いた気がした。

少女は壊れたナイフを投げ捨て、ぼんやりとした記憶の中、それも、今までの戦闘は私がやったのではないと、もはやこんなの知らないと言わんばかりの意識で、前髪で片目の隠れた制服の少女は自
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