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提督はBarにいる。
キスの味はさくらんぼ?・その3
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べ頃だぞ。




「そら、口直しだ。『さくらんぼのヨーグルトアイス』……さっぱりしてて食べやすいはずだぜ?」

 スプーンで掬って頬張れば、ヨーグルトの酸味とコンポートの甘味が溶け合って口に広がっていく。

「これは……清涼感があって暑い時期にはピッタリですね」

「そうねぇ、朝潮ちゃん達にも食べさせてあげたいわぁ」

「なら今度連れてきな。連れてくるのを予め伝えておいてくれれば作っとくから」

「うふふふふふ、楽しみにしてるわぁ♪」





「それにしても荒潮、お前中々に強いな?」

 強いな、とは勿論艦娘としての戦闘力ではなく酒の飲みっぷりの話だ。朝潮は下戸だったはずだし、満潮、霞、大潮の3人は人並みに飲める程度。姉妹だから似る、とは言わないが荒潮がずば抜けて強いようだ。

「最初の内は飲んだ事無かったんだけどぉ、明石さんの酒保に缶ビールとか簡単なおつまみを置くようになってからかしら〜?」

「何、明石の奴そんな商売もしてたのか?」

 詳しく聞けば、ちょっとしたお菓子やジュース、トランプ等の遊び道具の他に冷蔵用の棚が増設されて缶ビールや缶チューハイ等、手軽に手を出しやすい酒の種類が増えたらしい。それち伴って酒のツマミコーナーもスペースを増やしており、さながらコンビニのようになっているという。荒潮はそっちで酒やツマミを購入し、他の駆逐隊の連中なんかと部屋飲みでアルコールに馴れていったらしい。

『まぁ、変な商売やってなけりゃあ俺が止める義理も筋合いもねぇんだがな。まぁその内チェックしに行くか……』

 頭の隅に『明石酒保の抜き打ちチェック』というのを書き加えておく。そんな会話をしている内に、荒潮は『チェリー・ブロッサム』を飲み干したらしく、お代わりをご所望だ。さてさて、そいじゃ作りますかね。



《ボルガ・ボートマンのレシピ》

・ウォッカ:20ml

・チェリー・ブランデー:20ml

・オレンジジュース:20ml



 さて、作っていこう。名前の由来はロシアを流れるヨーロッパ最長の河川であるボルガ河の船乗り、という意味らしい。だからロシアらしく使われるのはウォッカだ。ウォッカとオレンジジュースを同量混ぜれば、有名なカクテル『スクリュードライバー』になるが、そこに同じ量のチェリー・ブランデーを加えると味が大きく変わる。作り方は3つの材料全てをシェイカーに入れてシェイクし、カクテルグラスに注げば完成。オレンジとチェリーのミックスされたフルーティな香りと、ブランデーの香りが合わさって、よい香りと仄かな甘味が楽しめる一杯だ。

「ほら、『ボルガ・ボートマン』だ」

「店長、私にも何か作って頂けますか?」

 おっと、早霜にしては珍しいな。まぁたま
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