第4章:日常と非日常
第114話「水面下での動き」
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にここを見つけた。…と言うのが一連の流れと言った所でしょうか。」
「…………」
リヒトには触れずに、両手を上げた状態でそう答える。
すると、何もしないと分かったゼスト隊は武器を降ろす。
「普通にここに入ってきたという事は…」
「先程そちらには言いましたが、ドクタージェイルとは知り合いです。また、気に入られている身なのでこうして自由に研究所内を移動している訳です」
「そうか…」
何とか警戒を解いてもらえたようで、改めて自己紹介するか。
「では改めまして…僕は志導優輝。今回は渡航許可だけを貰って自力でここまできました」
「…使い魔の草野姫椿よ」
「ユニゾンデバイスの薔薇姫葵だよー」
簡単に自己紹介をする。すると、僕だけならともかく、三人でならある程度知っている人がいたようで、ちらほら反応が窺える。
「確か…最近管理局でも有名だった…」
「そう言えば、“魔導師殺し”とか言われてたような…」
少し騒めきが大きくなった所で、先程ゼスト・グランガイツ…ゼストさんでいいか。
彼と戦っていた紫髪の女性が手を叩いて静める。
「彼について気になる事があるのは分かるけど、今はそうじゃないでしょう?」
「…そうだな。…なぜこの部屋…いや、その様子だと、なぜ俺達に会いに来た?」
「なぜ…と言われましても」
特に意味がある訳ではないとはいえ、僕は理由を口にする。
「世間上では、壊滅…戦死した扱いのゼスト隊が、今どんな様子か確かめておきたかった…という所でしょうか。あのドクタージェイルが関わっていると知って、こうして場所を突き止めてきたんですから」
「………」
「…貴方は、管理局の敵?それとも味方なのかしら?」
理由を言うと、今度は先程とは違うもう一人の紫髪の女性がそう言ってきた。
「…敵でもあり、味方でもある…と言った所ですね。管理局も一枚岩ではないのが良く分かっているので…」
「そう……」
…敵意がないとは分かっているが、どうやら警戒までは解けないらしい。
まぁ、ここまで怪しい行動を取っていればな。
「…最高評議会の事か」
「…知っていたので?」
「あのマッドサイエンティストに聞かされた。俺達が目を覚ました際に、な」
「まぁ、大体はそういう事です。僕としても、奴らの息が掛かったものは信用できなくなっているので…」
ジェイルから聞かされていたようだ。話が早くて助かる。
「自身が“悪”だと思った存在を、自身にとっての“正義”を以って裁く。…人間なんてそんなものよ」
「…椿?」
「要は、“正義”は心の持ちようによって“悪”になるの。…最高評議会も同じよ。大方、自分たちがやっ
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