第60話『一年生VS.三年生』
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「よし、決まりだ!」ピカーッ
「!!」
晴登が肯定するや否や、伸太郎は目眩しで隙を作る。唐突だったため緋翼はそれには対応できず、目を塞いでやり過ごしていた。
晴登も目を塞ぎつつ、結月に加勢しようと駆けた。
「・・・どうして、行かせたのかしら」
「アイツらは2人で組んだ方が、絶対に強いっすから」
「その代わり、私は1人で充分と?」
「別に。3人メンバーなら必然的にそうなるっすよ」
自分を軽く見られたと思って、少し苛立ちを見せる緋翼。確かに終夜の方を重視してはいるが、緋翼が決して弱くないというのは、さっきの晴登への一撃で確認済み。
実力で言えば断然向こうが上だから、気を引き締めなくてはならない。
「あらそう。じゃあ私もさっさと終わらせようかしら」ボワァ
「!?」
緋翼が呟いた途端、彼女の周囲を焔が覆っていく。"焔の鎧"とでも言うべきか。
「なに驚いてるの? まだまだ本気じゃないからね?」
「……当たり前っすよ。俺だって…!」ボッ
まだ少し使い慣れない炎を、伸太郎は右手に纏う。
──炎と焔の一騎打ちが始まった。
*
「弾けろ! 冥雷砲!」バシュン
「ぐっ…!」バリン
終夜の指から放たれた雷は、結月の張った氷壁によって相殺されて、消失する。結月の氷壁も、貫通こそ避けられたものの、破壊されて霧散した。
「レベル5とはいえまだまだ未熟だな。力が込められてねぇ。ま、それでも俺の攻撃が届いてないけど」
「力が込められてない…?」
「気持ちだよ気持ち。防御する時も、ただ防げれば良い、じゃダメなんだよ」
独りでに語り出す終夜。それはご最もであり、結月も納得する。
そして彼は、とある方向を見て呟いた。
「…ったく、ちゃんと足止めしとけよ、辻」
言い草の割には薄らと笑みを浮かべている。
結月も終夜の視線に合わせて見てみると、一人の少年が走ってこちらに向かって来ていた。
「結月!」
「ハルト!」
結月は晴登を見るだけで、表情を和らげた。嬉しさが見て取れる。
終夜はその様子をじっと眺め、「やれやれ」としていた。
「逢瀬の途中悪いけどよ、2人でも容赦しねぇぜ。覚悟はできてるな?」
終夜の言葉に2人は身構える。遠距離で来るのか、はたまた特攻で来るのか。どちらにせよ、行動は即決で決めなければならない。
「…じゃあ行くぜ! おらぁっ!!」バリバリ
「「っ!!」」ヒュ
終夜は両手に黒雷を纏ったかと思うと、一気に振り下ろす。すると、その黒雷は大地を穿ちながら2人を襲
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