暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第52話「一方で」
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自業自得だからな...。





「そういえば、ジェイルさんはどこに?」

「何でも、妹さんがいるみたいで、説明しに行かなければならないと...。」

「...そういえば、いたっけな。妹さん。」

 ジェイルさんにはクイントさんと言う妹がいる。
 どうやら、そのクイントさんにジェイルさんは頭が上がらないようで...。
 ユーリちゃん曰く、電話がかかってきて慌てて向かったとの事。
 ちなみに、兄妹揃って子沢山だったりする。

「...そう言えば、桜さんや束さんは家族に対して...。」

「なんの説明もなし...とは行かないからな。束は置手紙を。俺は...連れてきた。」

「...はい?」

 母さんは、こんな事には本来加担しないのだが...。
 それでも、“一緒にいられるなら”と、捕虜のような立場としてついてきた。
 実際は普通にこの基地で暮らしているだけだがな。

「ユーリちゃんも、俺達がいなくて暇な時は母さんと...後クロエとかと一緒にいてていいぞ。家事関連を担う人は基本基地にいるからな。」

「はい...。あの、連れて行ってもらう事は...。」

「...ダメだ。ユーリちゃんは、立場としては攫われてきた被害者だ。それなのに、俺達に加担してしまっては、意味がない。」

「そうですか...。すみません...。」

 俺達に任せっきりなのが嫌なのだろう。ユーリちゃんらしい。

「謝る事ではないさ。...近い内に、色々変わってくる。」

「え....?」

「俺達が外に出ているのは、余計な組織を潰して回っているからだ。だから、もう少しすればそういった組織の脅威もなくなる。」

「...そうですか。」

 俺達は、世界にとっての“絶対悪”になろうとしている。
 そうすれば、世界は一致団結せざるを得ないからな。

「...なぜ、桜さんはこんな事を仕出かしてまで....。」

「なぜ...か。全世界に配信した映像で言ってた通り、主な目的はISを宇宙開発に向けて使ってもらうためだ。」

「嘘...ですよね?それだと、桜さん達ならこんな事をしなくてもできるはずです。」

 どうやら、見抜かれていたようだ。

「...もう一つは、世界の歪みをなくすためだ。」

「歪み...?」

「女尊男卑、ISに固執した思想...それによって生じた、女性の間だけでも存在する格差...挙げればきりがない。そういった歪みだ。」

 そう。何も女尊男卑の影響は男女間だけではなかった。
 女性の間でも、適正の有無で格差が生じていたのだ。
 さらには、それに影響して、“優秀さ”でも格差が生じた。
 ...その結果がユーリちゃんだ。

「その歪みの影響で、ユーリちゃ
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