ターン75 鉄砲水と英雄、空爆
[9/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ちらの方向に感謝の意をこめて片手を上げ、ミスターTへと向き直る。
「悪いね、2回も3回も同じ手が効くと思った?手札から幽鬼うさぎの効果を発動。このカードを捨てて、場で効果を発動したヴァルカノンには破壊されてもらったよ」
これなら少しは意表をつけたかとも思ったが、やはりサングラスに隠された顔からは何の感情も読み取れない。あるいはこの人格も見せかけで、そもそもこの存在には感情そのものがないのかもしれない。そんな考えすら浮かんでくる。
「だが、目的の半分は果たされた」
その言葉通り、今の一撃はネオスの至近距離での自爆そのものが止められたわけではない。特大ダメージがこちらに入ることこそ辛うじて避けられたものの、ネオスの姿もまた爆風の中に消えていった。
「ごめん、十代」
「気にするな。それより、来るぞ!」
「私はジェネクス・ニュートロンを召喚する」
ジェネクス・ニュートロン 攻1800
その言葉通り、ミスターTが次なるカードを場に出す。1ターン目にも見た人型のロボが、かすかなモーター音とともに動き出した。でもミスターTはグレイドルの能力を知っている、わずかなダメージを稼ぐためだけに仕掛けてくるような真似はしないだろう。となると1ターン目にも使っていた、エンドフェイズに発動するサーチ能力が狙いか。
だが次の瞬間、改めてミスターTの思考回路が常人の域ではないことを思い知らされた。放っておけばサーチが問題なく使えるはずのこの状況で、目先のダメージを優先してきたのだ。
「ジェネクス・ニュートロンで攻撃する」
ジェネクス・ニュートロン 攻1800→グレイドル・コブラ 攻1000(破壊)
十代&清明 LP1400→600
「正気!?ならコブラの効果を発動、対象は当然そいつだ!」
重たい金属の拳を喰らって弾け飛んだコブラの体が、ジェネクス・ニュートロンの全身にへばりつくように再集結する。わずかな関節の隙間から内部に入り込み、精密機械のコントロールを狂わせる。
それにしても、こうなることがわかっていてあえて攻撃してくるとは。何らかの罠を張るのは間違いないだろうが、それにしたってあそこは1ターンぐらい大人しくしていたっておかしくない状況だったはずだ。これは闇のデュエル、命がかかっているとなれば普通ならまず間違いなくそうするし、せめて多少なりとも躊躇してから行動に移すはずだ。
だが、ミスターTにはそれがない。次の十代のターンで罠が無効化されるかもしれないといったリスクを一切考慮しないその姿勢は、そもそも生物の概念に当てはまるかどうかも怪しいあの存在だからこそ取れる戦術なのだろう。そんな生き急ぐような戦術、少なくとも僕はやる気もないしやりたくもない。
「カードを1枚伏せる。永続魔法、未
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ