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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン75 鉄砲水と英雄、空爆
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 夢想の後をついて、アカデミアの外に出る。校舎の裏手のちょっとした死角になっている一点から、かすかな煙と焦げ臭いにおいが漂ってくるのを感じた。万丈目や明日香、翔に剣山といったいつものメンバーがやってくる僕らを認めてあいさつ代わりに手を上げる。

「……これがその、燃やされちゃったカード?」
「そうよ。誰がこんなことを……」

 焼け跡から半分以上灰になってしまい、もはやデュエルディスクも認識してくれないであろうカードの残骸を何気なく拾い上げる。まだ使えそうならこっそりちょろまかしていこうかとも思ったけど、これは流石に無理だろう。辛うじて残っていた文字やイラストから察するにこれは大木炭18、昼夜の大火事、終焉の地、か。何とも皮肉なラインナップだこった。
 燃えカスをまた元の場所に戻すと、呆然としたままの皆の顔が見えた。なんとはなしに眺めまわしたところでようやく、あることに気づいた。

「あれ、藤原は?」

 藤原。まだ敵か味方かすらわからないが、少なくともただの人間ではない謎の存在。なぜかここの生徒に成りすまし、なぜかカード回収に手を貸していた。あれ、やってることだけ取り上げると稲石さんみたくただのお人よしな気がする不思議。
 だが、そこで返ってきた反応はおおいに訳の分からないものだった。

「藤……原?えっと、誰だったかしら……?」
「確かに聞き覚えがあるような気はする……んだがな」
「え……?」

 これはおかしい、明らかにおかしい。百歩譲って明日香辺りがわからないのはまだいいとして、ついさっきまで一緒に行動していたはずの万丈目までこんなにはっきりしないのは、どう考えても普通じゃない。手伝うだけ手伝って記憶消してどっか行くとか、ホントに何がしたかったんだあの男。ますます困惑する僕をよそに、話は別の方向にまとまり始めていた。

「こうしていても仕方ない、まずはこの犯人を捜すとしよう」
「でも万丈目君、そんなのどうするんスか?」
「決まっているだろう、捜査の基本は足だ。辺りに怪しい奴がいなかったか聞き込みに行くぞ!」
「そんなのカードが詰まった段ボール抱えて校舎中歩き回ってた万丈目先輩の名前が挙がるだけだと思うドン……」
「なんだと!?」
「アニキなら、こんな時どうしたかなぁ」

 ワーワーと言い争う万丈目と剣山の隣で、翔がポツリと呟く。不思議なことだが、その名前が出た瞬間ぴたりと場が静まり返った。

「そうだな。この名探偵サンダー1人でも十分だが、ここはまた奴にも華を持たせてやるとするか」
「最近はずっと寮にこもってばっかだけど……」
「じゃあ、ちょっとアニキのことも呼んでくるッス」
「あ、ちょい待ち翔。僕もいったん部屋に戻るよ、カバンが店に置きっぱだから戻しておきたいし」
「清明が行くなら私も
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