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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第624話】
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―否、白騎士!!」


 空中へと躍り出たヒルトと白騎士は切り結ぶ、何合と続く接近戦。


「私が、挑む? 笑止、力無き者、その傲慢、自らの身を、滅ぼすだろう……」


 間合いをとった白騎士――左腕を横に振り抜く。


「良いだろう。 己が無力に絶望し、私の力を、とくと味わえ」


 白騎士の装甲が粒子化と共に再構築されていく――織斑千冬の残留無意識が、コア・ネットワークを通じて《白式》の情報をフィードバック。

 全体的に白騎士の意図を残しながらも何処か白式の様な造型――まるで二機を融合させた様な姿は西洋画に描かれる聖天使の様にも見られた。

 理由は簡単だ、白騎士のウイング・スラスターと白式のウイングスラスターの計四基が天使の四枚羽に見えるからだ。

 登録名称《ドレッシィ・ホワイトナイト》――第二形態移行を果たした白騎士の新たな姿だった。


「では、始めよう。 力無き者、資格無き者、私に、抗え」

「……まだ上から目線かよ。 ……行くぞ――――イザナギィィィッ!!」

『やっちゃうのですよぉ!凸(`o´#)』

『ああ! 我が力は主君の為に!! イザナミ、コアを同調させる!!』


 天・伊邪那岐、そしてイザナミのコアがリンク同調を果たし、緑の余剰粒子が周囲に放出され、天へと昇っていく。

 それが合図となり、全てのISの始祖である白騎士と落ちこぼれと呼ばれた有坂ヒルトの戦いが新たに開始された。

 一方、旅館の外では楯無がある物を運んできた運び屋と接触をしていた。


「遅れて申し訳ありません、先日の空母沈没の件の処理が思った以上に――」

「いえ、ありがとうございます。 カレン・カレリア――いえ、アンネイムドの隊長さんと呼べば良いかしら?」


 そんな楯無の皮肉、だがカレンは表情を崩すことなく告げる。


「いえ、貴女方の呼びやすい呼び方で私は構わないので」

「……そう、じゃあカレンさん。 物は受理しました、ありがとう――でも、脱け出しても平気だったのかしら?」

「それに関しては問題ありません。 私はあの方がお呼びになれば……」


 そう話すカレンの頬は僅かに紅潮していた、楯無は頬を指で掻く。

 受け取った物資を粒子化させた――庭園に現れたのは巨大な狙撃粒子砲《サモセク》及び《アルマッス》、街を破壊する力ではなく、誰かを守る、生徒を守る為の新たな剣だった。
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