第十二話 港においてその九
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「貴方はそのお力を世界を救う為に使われますか」
「だからこの世界に来たみたいだしな」
「それ故にですか」
「ああ、やるぜ」
明るく笑ってだ、久志は青年に答えた。
「レーヴァティンも抜けたしな」
「それで持たれているから」
「やってやるぜ」
「そうですか」
「ああ、それでな」
「私にですね」
「どうするか聞きたいんだよ」
青年のその目を見て問うた言葉だ。
「これからな」
「今貴方のお言葉を聞いて決めました」
「俺の?」
「はい、ここで高い能力を与えられてそれをよしとされてです」
そしてというのだ。
「遊び惚ける道を選ばれていたなら」
「それならか」
「もう私はです」
それこそというのだった。
「貴方についていこうと考えていませんでした」
「そうでしたか」
「はい」
そうだというのだった。
「私は」
「じゃあ、だな」
「はい、その力が何故与えられどう使うべきかわかっておられる」
「それならか」
「私もです」
青年は微笑み久志に言った。
「及ばずながら」
「そうか、一緒に来てくれるか」
「そうさせて頂きます」
はっきりとした返事だった。
「これから」
「よし、じゃあ一緒に行こうな」
「私の名前は飯塚順一といいます」
青年はここで名乗った。
「司祭をしていまして」
「学問が出来るらしいな」
「僧侶と魔術師の魔法が使えます」
この二つがというのだ。
「それで戦えます」
「そうか、二つの魔法が使えるか」
「そしてこの世界の法律も学んでいます」
「それは俺達の世界では法学部だからか」
「それで法律に興味がありまして」
この世界でのそれにもというのだ。
「ですから」
「そうか、じゃあそっちでも助けてくれよ」
「法律のことでも」
「法律を知らないとどうにもならないだろ」
笑ってだ、久志は順一に答えた。
「政治にしてもな」
「よくおわかりですね」
「ああ、これでもデルフォイで色々勉強したからな」
笑ってだ、久志は順一に答えた。
「こうしたこともわかるさ」
「それは何よりです」
「強いだけじゃどうにも出来ないさ」
それこそというのだ。
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