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SAO:tr3―この世界での日常―
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離しなさいよ」
「やったー」

 私の根性持っての勝利。ドウセツは露骨なため息を吐きつつ席へ戻っていた。
 その様子を見ていた兄が食欲で満たされた影響なのか、調子に乗った時しか言わないであろう言葉をドウセツに投げかけた。

「鬼と呼ばれるドウセツもキリカには甘々なんだな」

 それをニヤニヤ顔で言われたドウセツは当然の様に、

「貴方達兄妹は本当に愉快な人ね。一体どこをどうしたらそんな風に見えるのかしら。一回目ん玉くり抜いた方がいいのでは? 手伝ってあげるわよ」
「調子に乗った俺が悪かったって」

 無表情ながらも冷淡と口にする兄は素直に謝った。ドウセツの発言はきっと脅しだけで本当にやるとは思えない。でも、ドウセツなら本当にやりかねないから恐ろしいよね。
 ほんと、少し声のトーン低いだけで本当に怖いからね。基本的に無表情なドウセツだけど場合によっては無表情だけど余計に怖い時とか普通にあるもんね。
 私も一歩間違えればドウセツの罵倒の餌食にされると思うとひやひやしてしまう。そういう意味を込めて、不思議な香りがするお茶をすすって一息ついた。
 と、同時に兄もお茶をすすっていた。

「…………ほんとそっくりだよね」

 その光景を見ていたアスナがまじまじと見つめながらしみじみに呟いていた。

「いきなりどうしたんだよ」
「だってキリト君、キリカちゃんと同じタイミングでお茶をすすっていたから改めて見ると本当に双子なんだなって」
「昔からよく言われるよ……」

 兄は複雑そうな顔をする。双子故の宿命というか、一卵性双生児として生まれたからの必然といいますか、誰かにそっくりみたいなことをうんざりするほど聞かれている。
 でも兄が複雑な顔をしているのは言われなり過ぎたことではない。兄が私と同じ顔であることに対してだ。
 けしてブラコンではない妹の私からして兄の顔は、イケメンではないが綺麗な顔立ちをしている女顔である。それ故に私がジーンズで兄と一緒にいる時は姉妹だと間違われるだけではなく、親でも見分けがつかない時が多々あったのだ。男である兄からすれば、女と見間違えられるのは複雑な気分になるのは男として当然でしょうね。
 私も兄と間違われて男に見られた時は喜べなかったしね。

「あれ? 思ったんだけど……二卵性双生児?」

 アスナは首を傾げる様に訪ねてきた。
 それを言われた私達がこの後、アスナが何を訊くのかをほぼ把握した。何故ならこの手の質問もよく聞かれるからだ。
 だからアスナが訊ねる前に私が返答することにした。

「いや、私達は世にも珍しい異性一卵性双生児だよ。そっくりだから一卵双生児って思ったけど同性しか生まれないから違うって思ったでしょ」
「え、なんでわたしの考えていることがわかったの?」
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