SAO:tr3―この世界での日常―
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いる。
とりあえず必要最低限揃えられている私の部屋とは雲泥の差をつけられた事を思い知らされた。
「……口開いていて、気持ち悪いわよ」
「え? あ、あぁー……あ、アスナ! これ、いくらかかっているの?」
ドウセツの指摘に私は恥ずかしさを隠すように慌てて訊ねてしまった。
「んー、部屋と内装を合わせると四千kくらい。着替えてくるからキリト君達はそのへん適当に座ってて」
kが千をあらわす短縮語だから……四千Kは四百万コルか。結構なお値段であるが、買えないことはない。お金がなくても最前線でこもっていれば、それくらいは稼げるはずだ。まあ、変に無駄使いしていれば別なんだけど。
……ちょっと明日から、張り切って大幅に模様替えをしようかな。それでアスナみたいな女子力高い部屋になるのなら、私だってできるはずだ。
「じゃあ、私達も着替えよ」
「別にこのままでいい」
「いいから来る!」
「馴れ馴れしく掴まないでくれる?」
「こうでもしないと、ずっと拒むでしょ?」
とりあえずドウセツの冷淡な声音に負けずに、兄の視線が映らない場所へ移動した。
着替えって言ってもドウセツは武装を解除しただけで、私は戦闘用のコートと武装を解除しただけだけどね。
兄妹だからと言って、そうやすやすと着替えている所を男には見せたくないものだ。私達の肉体は3Dオブジェクトのデータに過ぎないけど、体は体よ。
ラフな格好になったところで、テーブルに『ラグー・ラビットの肉』をオブジェクトとして実体化させる。後はアスナにまかせよう。
「これが伝説のS級食材かー……で、どんな料理にする? はい、キリト君!」
「シェ、シェフお任せコースで頼む」
「ドウセツは?」
「ちゃんとしたものなら何でもいい」
「キリカちゃんは?」
「愛がいっぱいのラブリー料理!」
「アスナ、今のは無視していいからな」」
「え、えっと……そうね、じゃあ、ラグーだから煮込み系か……シチューにしましょう」
苦笑い気味になっていたアスナは隣の部屋に向かって調理開始した。兄もアスナも私に優しくないやい!
そんな私の不満が通じているのかはか知らないが、アスナはてきぱきと調理を開始する。ただ、その料理工程は現実世界で見たのと違っていた。
というのもSAOの料理は簡略化されていて、たったの五分でラグー・ラビットのシチューが完成するそうなのだ。メニュー操作で調理時間を設定したり、食材アイテムを簡単にオブジェクト化していく工程が現実世界と違っている。
ゲームだから同然なんだけどね。だから料理をしているよりかは、料理ゲーをしている感覚に近いんだろう。
それでもアスナのてきぱきした無駄のない動きに、見惚れてしまう。そして作業とメニュー操作を一回もミスも無くラ
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