SAO:tr3―この世界での日常―
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ンバーが入れ替わったりして……最強ギルドなんて言われ始めた頃から、なんだかおかしくなっちゃって…………ドウセツの言う通り、抜けたら楽になれるのかな」
言葉を切って、アスナは夕陽のある方へ半分体を向けた。
アスナが漏らした不安混じりの不満、そしてどこかへ視線を向けるアスナはどこかすがる様に見えた。その姿に私は何も言えなかった。
数秒間沈黙が続いたが、アスナは場の空気を切り替えるように歯切れのいい声を出してきた。
「まあ、たいしたことじゃないから気にしなくてよし! 早く行かないと日が暮れちゃうわ」
先に立ったアスナに続いて、キリト、私、ドウセツの順に、街路を歩き始めた。
●
アスナの住む部屋は、目抜き通りから東に折れてすぐのところにあった。そこは小型ではあるが、美しい造りのメゾネットタイプの三階建てだった。
どうしても自分の家と比較すると、アスナの住んでいる家ってお金かかっているんだなぁと思ってしまうのは何故だろうね。
「しかし……いいのか? その……」
建物の入り口で躊躇している兄。今更なにをためらう必要があるのだが、このヘタレめ。
「だったら帰ればいいじゃん? 肉だけ置いてってね」
「お前、もうちょっと気づかう言葉とかあるだろ……」
「甘いこと言っているんじゃないわよ。それにアスナと私と兄以外の家で、他に料理出来る場所あると思う?」
「いや、ドウセツの家とかあるだろ。確かアスナ程ではないが、ドウセツも料理するんだったよな?」
「何で貴方が私の家に来なければいけないの? 来ても金と肉を置いて行けば考えてあげてもいいわよ」
「もはやそれ強奪並みのプレゼントだろ……」
「ドウセツが素直に家に招くわけがないでしょ。ということでアスナの家しかない、つまり他の選択肢なんてあるわけないの。ヘタレて逃げるか、さっさと覚悟を決めておじゃまするか決めなさいよ、妹として恥ずかしいよ」
「わ、わかったよ、躊躇した俺が悪かったって」
私とドウセツにボロクソに言われた兄は覚悟を決めて階段を登った。
……アスナが望んでいることなんだから、ちゃんと受け止めなくちゃ駄目だからね。
「でも、私としてはドウセツの家でも良かったんだけどね」
「嫌」
「さいですか」
ドウセツは素っ気なく長髪を払い私を抜かし、階段を登った。ワンチャンあると思ったんだけどなぁ……。
私もドウセツの後に続いてドアをくぐると、私はアスナの部屋を一目見て言葉を失ってしまった。
広いリビング兼ダイニングと、隣接したキッチンには明るい色の木製家具がしつらえられ、統一感のあるモスグリーンのクロス類で飾られている。
まさに女子力が高い部屋だってことが一目瞭然で居心地が良さそうな雰囲気が漂わせて
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