現実世界では
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
"ソードアート・オンライン"、通称『SAO』がデスゲームとなり開始されてから2年が経過した現実世界では今も無事を願って、全プレイヤーの家族や身内が心配していた。
そして、私はあるプレイヤー病室のドアを開けて中に入って言った。
その病室の名札には『桜雷 蒼』と表記されていた。
「……お兄ちゃん、私今日も来たよ。」
お兄ちゃん……それは私の兄で桜雷蒼。
私は兄とは違い、母親と同じ茶髪で身長は平均よりも低めだが剣道部の大将でもあった。
──お兄ちゃんも剣道部の大将だったよね。
ガラッと音がした方に私は視線を向けると、そこには姉の姿があった。
「遥ちゃん、蒼は…?」
「ううん、まだ……」
お姉ちゃんは「そっか…」と言って花瓶の中の花を持ってきた花と変え始める。
「お姉ちゃんも…?」
「えぇ…さっき行ってきたけど起きてなかったわ。」
『お姉ちゃん』
それは私達の幼馴染み、結城明日奈さんのあだ名。
彼女も兄と同じくデスゲームに囚われて2年が経過した。
何故お姉ちゃんと呼んでいるかと言うと、本当の姉である祐歌姉が『私は祐歌って呼ばれたい!』と反論し、明日奈さんはどちらかと言うと『なら、私をお姉ちゃんと呼んで!』ということがあった。
「………帰ってくるよね。」
「遥ちゃん……」
私は兄のとても細く、握ったら折れてしまいそうな手をそっと持って願った。
「お願い……お姉ちゃんと一緒に無事に帰ってきて……お兄ちゃん……!」
「蒼……姉と妹や親に心配かけてるんだから……早く戻ってきなさいよ……この馬鹿弟が……。」
「祐歌姉……」
ガラッと再びドアが開いた。
お父さんとお母さん、そしてもう1人……
「祐歌さん、遥ちゃん久しぶりだね。」
「……須郷…さん……。」
「貴方がどうしてここに来てるのかしら?」
"須卿伸之"
お姉ちゃんと祐歌姉に付きまとってくる変人(ストーカー兄命名)。
「どうしてって酷いなぁ、君の大切な弟さんである蒼くんの御見舞だよ。」
「こらこら、祐歌に遥。失礼じゃないか。」
「2人とも気をつけなさい。」
お父さんとお母さんは、お兄ちゃんが向こうの世界に行ってから変わってしまった。
須卿伸之を信じていなかったのに、いきなり手のひらを返して信じ込んでいる。
──お兄ちゃん……早く帰ってきて……じゃないと、祐歌姉とお姉ちゃんが……。
私は兄の手をぎゅっと握り、強く願った。
私では守れない、けど兄なら……。
その一心で"お兄ちゃん、お姉ちゃん達を助けて"と。
デス
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ