第十一幕その一
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第十一幕 抜け出すヒント
雪も止んでです、街の交通も元に戻りました。先生はお家で窓の外に残っている雪を見つつ皆に言いました。
「さて、雪も落ち着いてきたね」
「少しずつ溶けてきてるし」
「銀世界も終わるわね」
「かなり凄い雪だったけれど」
「それもね」
「うん、そうだね」
実際にという先生でした。
「奇麗だったけれど交通のことを考えると」
「困ったことだったわね」
「昨日まで降っていて道も雪で覆われて」
「車も通れなくなって」
「本当に大変だったわ」
「そうだったね、いや雪かきもね」
先生はお家の前でトミーそして動物の皆としたそのことについてもお話しました。
「大変だったね」
「楽しかったじゃない」
「というか先生本当に身体動かすの苦手ね」
「スポーツもそうで」
「身体を動かすとなると」
「歩けて馬に乗れるけれど」
それでもなのです。
「僕はとにかく身体を動かすことについては」
「そうそう、昔からね」
「苦手よね」
「どうしてもね」
「そちらについては」
「だから大変だったよ」
雪かきにしてもというのです。
「子供の頃から苦手だったんだ」
「お掃除もお洗濯もでね」
「お料理も駄目だし」
「運動とか家事はね」
「何もかも駄目よね」
生活力についてはです、先生はからっきしなのです。だから雪かきについても全くの苦手だったのです。
それで、です。動物の皆も言うのでした。
「むしろ僕達の方が頑張ってた?」
「そうよね」
「トミーが一番頑張ってて」
「僕達皆でやって」
「先生はまあいたかしらって位で」
「全く、私達がいないと」
やれやれといった感じで言うのでした。
「駄目なんだから」
「こうしたことでも」
「けれどそんな先生だからね」
「一緒にいられるのかも」
「放っておけないから」
どうにもというのです。
「学問は凄くてね」
「けれど世の中のことはからっきし」
「それでもお人柄は最高」
「そうした先生だからこそ」
魅力的だというのです、そうしたことをお話しながらです。皆で雪景色を観ていました。そしてテレビではです。
交通が完全に戻ってきたことが報道されていました、先生はその報道を視て言いました。
「うん、これで大丈夫だね」
「バスや電車もね」
「何処でも行けるね」
「そうだね」
「うん、学校にも皆が来るよ」
そうなるというのです。
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