第55話<侮れない艦娘>(改1.2)
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すると比叡が突っ込む。
「ダメです! 偉いとか偉くないじゃなくて、物事には秩序というものが有るんですよ」
「そうネ、だからテートクはトコノマの前デス」
金剛も妙に和風に馴染んでいるな。
ふと気付くと日向は下座だ。
「あいつは良いのか?」
私の言葉に怪訝そうな表情になる山城さん。
「航空戦艦には負けたくないの……」
(どういう理屈だ?)
ただ日向自身は平然として上下は気にしないようだった。
何となく彼女のほうが上手な気がした。
さっきから青葉さんがノンストロボで盛んにシャッターを切っている。
「おい、写真の取り扱いには注意しろよ」
「心得てますよ」
彼女も普段から鎮守府で写真を撮っているから問題ないと思うのだが、なぜか私の実家が写っているとなると写真が流出しないかと不安になるのだ。
そうこうしているうちに祥高さんたちはテーブルの上に次々と料理を運んでくる。母親も奮起したな……。
そういえば彼女は私が小さい頃から料理が得意だった。今日のメニューも、ほとんどが手作りだろう。
「これ手作りだよね」
「すごいわねえ」
北上や龍田さんも敏感に反応している。
……ていうか敏感だな、お前たちは。私は北上がサンドイッチを作っていたことを思い出した。
ある程度料理が揃ったところで、全員が着席して母親もやってきた。
「あれ? お父さんは?」
「恥ずかしいだって」
エプロンをしたまま入って来た母親が言う。
「そうじゃな、艦娘に慣れない殿方は無理も無いのじゃ」
利根が妙に理解を示している。
「……じゃ食べるか」
私が言うと直ぐに
『えっ』……という反応が艦娘たちの間から湧き上がる。
「なんだよ、それは」
すると珍しく祥高さんが全体を代表して意見を言う。
「司令、ここは乾杯を……ということです」
「なるほどね」
秘書艦に言われたら抵抗できない。
私は床の間の前で立ち上がると言った。
「えっと、今日は図らずも墓参に加えて実家訪問となりました」
シンとなる洋間。
私はちょっと焦った。五月雨や日向、赤城が真面目なのは分かるとして、なんで金剛姉妹に青葉さん、利根までが真剣な表情でこっちを見ているんだ。
だが、それなりにまとめなければ司令としての名が廃る。
長過ぎないように、それでいてピリッとしたことを……と一瞬、考えていたら北上が突っ込んできた。
「緊張しなくて良いからさ、早く食べたいから簡潔にね」
「あ、ああ」
負けた、こいつには。だがお陰で場の緊張が解けて和やかになった。
「では簡潔に……実は私は最初、どうなるかと思った」
「何が?」
突っ込んで来る北上。
「そ
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