448部分:第三十六話 親父達、新たに加わるのことその六
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第三十六話 親父達、新たに加わるのことその六
「始皇帝の頃、いやそれよりも後か」
「むっ、では我々は」
「タイムスリップしたのか」
「そうだな。おそらくはな」
ハイデルンも話す。
「しかし。只過去に来ただけではないかもな」
「むう、まだ何かあるのか」
「そうなのか」
「これは私の勘だが」
こう前置きしてからの言葉だった。
「何か違うな、私達の世界と」
「そう言われると雰囲気がな」
「そうだな、何かが違うな」
「何処か花の香りがする」
「どういう世界なのだ」
「それを確かめる必要があるな」
ハイデルンはここでも二人に話す。
「これからな」
「そうだな。それではだ」
「そうするとするか」
こう話してだった。三人は草原を歩くのだった。そうしてだった。
彼等の前にだ。二十騎程の兵達が来た。黄色い鎧を着ている。
彼等を見てだ。すぐに道着の男が声をかけた。
「そこの者達・・・・・・むっ?」
「そうだな、あの服は」
ここで髭の男も気付いた。
「明らかに我等の時代のものではない」
「あれは中国漢代の服だな」
「如何にもそうだが」
兵達の方からも言葉が返って来た。
「我等は漢の兵だ」
「袁紹様の下にいる」
「袁紹だと。その名前の形式は」
ハイデルンはその名前を聞いてだった。すぐに言ったのだった。
「やはり中国の昔の名前だな」
「中国?」
「何処だその国は」
兵達はハイデルンのその言葉にいぶかしむ顔になった。
「いや、ジャック殿も最初にそう言っていたな」
「そうだな、ラルフ殿もな」
「そうだったな」
ここで兵達はこうした名前を出した。
「この国を最初は中国と言っておられたな」
「あの人達の世界ではその呼び名らしいが」
「ではこの者達も」
「待て、ジャックといったな」
道着の男が言うのはそこだった。
「今確かに」
「言ったが」
「それが何か」
「ジャック=ターナーというな」
男はジャックの正式な名前を話した。
「その者の名前は」
「その通りだが」
「それは」
「ううむ。ではだ」
「我等だけではないか」
「それにだ」
今度はハイデルンだった。
「ラルフとも言ったが」
「そうだ。クラーク殿もおられる」
「レオナ殿とウィップ殿もおられるが」
「まさか御主はあの方々と知り合いなのか」
「どの者も私の部下だ」
ハイデルンはそうだと返した。
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