第89層攻略
[8]前話 前書き [1]後書き [2]次話
「全員、かかれー!」
血盟騎士団副団長の声が響く。
『うぉぉぉ!』
第89層ボスモンスター『インファル・ザ・レイブン』
「鴉は大人しく夕日に向かって飛んでやがれ!」
「その前に焼き鳥だぁぁぁ!」
クラインとキリトが突っ込みたい台詞をかまし、シノンとライアは呆れていた。
「攻略中だっていうのに、お前らは馬鹿か…!」
「ほんと、馬鹿じゃないの!?」
シノンは後方からユニークスキル『射撃』で支援し、アスナとライアでスイッチする。
「アスナ!」
「ライくん、スイッチ!」
アスナの『シューティングスター』。
クリティカルが発生し、硬直したアスナに降り注ぐ爪をライアがパリィする。
ライアは右手に愛剣を持ち替え、パリィしたと同時にソードスキル『ソーゼルト・リバース』を発動する。
ソードスキルによってボスモンスターがいた位置とライアの位置が変わった事で出来た隙にキリトが二刀流のソードスキルを発動。
「削ったか!?」
「まだよ!」
キリトのソードスキルを喰らいながらも本の数ミリだけボスモンスターのHPは残っている。
「不味い、キリト!」
ライアは硬直が解けた瞬間、今にでも爪で攻撃されそうなキリトの元に走る。
だが、ライアが着く前に水色の閃光がボスモンスターにぶつかりポリゴンとなった。
「え?」
「私を忘れないで。」
攻略組全員が声がした方に視線を向ける。
「助かったよ、シノン。」
弓矢を左手に持ち、不機嫌そうな表情を浮かべているシノンの姿。
「ふん、後でお詫びにケーキを奢んなさいよね。」
「……え!?」
そんなライアとシノンのやり取りを見ていた攻略組の顔には自然と笑みが零れた。
その日の夜。
ライアは1人で外に出て星空を眺めていた。
何も考えずに、ただただぼーっと眺めているだけ。
時刻は、もう12時を過ぎているためアスナは起きていなかった。
右手にあるのは愛剣の『アスペラーレ』
──もう90層……か。
ライアはウィンドウを開き、1通のメッセージを確認する。
宛先は無く2〜3文で終わっている。
「………そろそろ、か。」
ライアはウィンドウを操作して細剣をタップし、あるプレイヤーに送る。
もちろん、メッセージも添えて。
──このゲームも終わらせよう…
デスゲーム終了まで残り……5日
[8]前話 前書き [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ