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全ては我が趣の為に
変態・ウォー!
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「あの男…ヴァリオット・ゲイザーは西住家の婿養子候補なのよ」

エリカさんが言うの!?て言うか何でどや顔!?
お姉ちゃんも胸を張らないで!

「「「」えええぇぇぇ!?」」


彼の男、ヴァリオット・ゲイザーには伝説が存在する。
ゲイザーは西住家においてかなり高い位置からの発言権を有している。
その理由も、様々な伝説が助長をきたしているからだ。

曰く、不意に現れたゲイザーは、戦車に乗り込み、たった一人で西住流と渡り合った。(セクハラによる女性陣の全滅)
曰く、一人で戦車を乗りこなせる。(影分身で各役割をこなせるから。因みにバレてない)
曰く、何処からでも敵戦車を狙うことができ、逆に殲滅されたことは一度もない。(長年による勘と実力。あと気分で適当に撃ったらいつの間にか)
曰く、西住流の全門下生(みほ、まほを除く)から畏れられている。(度重なるセクハラと師範である西住しほの意向)
曰く、黒森峰では結構モテていた。(変態性さえ出さなければ十分にイケメンである)
曰く、戦闘だけでなく整備まで完璧である。(マニュアルをパラパラ捲って覚える。おまけに気分で改造)

兎に角、上げればキリがない。

「みぽりん
お母さん、なに考えてるんだろ…」
「えっと、それが
どうしてみほさんを避けることになるんでしょう?」
「別にみほを避けている訳じゃないだろう。
ただみほや私にセクハラをした瞬間、婿養子が確定するからだど私は考えている。因みに私もセクハラされたことがない(別にしてくれて良いのに…」

とうとう知られてしまいました…。
明日からどんな顔でゲイザーさんに会えば良いんだろう。

「それってつまり、色んな女の子と遊びたいからってこと!?」
「許せません!」
「ち、違うんです!ゲイザーさんは…その…」
「西住家において、ゲイザーさんは私かみほの婿となる。だが母はどちらを、と厳命せず、好きな方と、と言ったのだ。
彼は私達のどちらかを選ぶことが出来ず、かといって先伸ばしにすることも出来ない。
だから他の女性にセクハラをすることで『 自分は最低の人間です』と母にアピールしているのだろう」

それについては知らなかったけど、努力する方向が違う気がする。

「まぁ、その行いが逆に私とみほを大切にしていると思わせているのだがな」
「……」
「彼は優秀な人よ。戦車に乗れば敵なし。整備だって一人でこなす。セクハラについてはなにも言えないけど、彼が好きなら全く気にならないわ」
「「…?」」

エリカさんが発言した瞬間、空気が変わった気がした。
そう思った私も、聞き捨てならない言葉だった。

「エリカ…まさかこんなに近くに伏兵がいるとは思ってなかったぞ」
「え?」
「エリカさん…私、負けません
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