ガンダムW
1748話
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ればならないのだ。
だが、その左腕が動かない……訳ではないが、明らかに動きが鈍い。
そうなると、既にエピオンが使える武器は右手で使用出来るビームソードくらいしかない。
『エピオンよ、もっとだ、今までよりも更に明確な勝利の未来を私に見せてくれ!』
シールドを通して、接触回線でゼクスの声が聞こえてくる。
普通であれば何をしているのかと言いたくなるのだが、俺はエピオンという機体を知っている。
それは、本来ならこのウイングゼロに搭載されているシステム。
パイロットが暴走する危険性を有するが、それでもパイロットに絶対的な勝利を与える為のシステムだ。
……残念ながらというか、幸いにもというか、このゼロシステムはあくまでも人間用に開発されたシステムであり、だからこそ混沌精霊の俺にとっては全く意味がないシステムだった。
だが、エピオンは違う。
ウイングゼロと同じゼロシステム……いや、エピオンシステムを搭載しており、その上でパイロットのゼクスは俺みたいな混沌精霊ではなく、歴とした人間だ。
そうである以上、ゼクスはエピオンシステムの性能を最大限に発揮出来る。
いや、エピオンシステムは今までの戦闘でも使われていたのだろう。
だが、それでも俺に勝てなかったゼクスは、更にエピオンシステムに頼った。
その結果がどうなるのかは分からないが……それでもゼクスにとって有利な状況になるのは間違いないだろう。
右手でビームソードを持ち、それでウイングゼロを真っ二つにせんと振るう。
その一撃を、後方に下がって退避しようとするものの……ふと、ウイングゼロが動かない。
何だ? そんな疑問を一瞬抱いたものの、映像モニタに映し出された光景を見れば、その理由はすぐに分かった。
ウイングシールドの先端が突き刺さったエピオンの左肩の先端……つまり左腕がウイングシールドを掴んでいるのだ。
確かにウイングシールドはエピオンの左肩を切断した訳ではない。
貫いたとはいっても、まだ左腕を動かす事は出来ただろう。
だが、それでもコックピットからの命令が完全に届くとは思えないのだが……それを、今のゼクスはやってのけだのだろう。
半ば運が関与している一撃ではあったが、それでもエピオンにとってそれは千載一遇のチャンスだった。
「ちっ! 加速!」
こちらに向けて振るわれるビームソードの一撃に、俺が使ったのは精神コマンドの加速。
そのまま機体を操作し、固定されているウイングシールドを軸にするような感じで機体を鎮める。
地面に沈み込んで敵の一撃を回避すると、次に俺がやったのは左腕に固定されているシールドを外す事だった。
その辺りはコックピットからの操作だけで容易に出来る。
そのまま機体を後退させ、ビームソードの一
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