聖者の右腕U
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。古城たちが住んでいるマンションの最寄駅に向かうためになんとかエレベーターで降りてロビーを出たところまで来ていた。
「さて、古城以下二人よ」
「なんだその呼び方」
「悠長に話しているが学校には間に合うのか?」
「へ?・・・って姫柊、まずい!あと10分だ!」
「えっ??もうそんなに時間経ってたんですか??」
「10分って駅から全力疾走でなんとか学校に間に合う時間だよ??」
「まあそんなに慌てるな。精々10分だろう」
「その10分で少なくとも俺は那月ちゃんに殺されるんだよ!」
「だから慌てるなと言っているだろう。なに、こうなったのも俺が原因だ。代わりにと言ってはなんだが、俺が学校まで連れて行ってやろう」
「はぁ?場所わかんの?」
「方角と直線距離さえ分かれば問題ない」
「なんで直線距離なの?」
「いいから教えろ」
「えっとー、姫柊?」
「方角は北東です。距離は・・・大体5kmです」
「了解。じゃあ3人はどうにかして俺に掴まれ」
「へ?」
「いいから。遅刻したいのか?」
結局、古城は肩に抱えられるように持ち上げられ、雪菜は負ぶられ、凪沙は古城とは逆側で脇に抱えられるように掴まることになった。
「よし、準備はいいな?俺がいいと言うまで目を閉じて耳を塞いでるんだ。さもなくば五感の誰かと永遠にバイバイすることになる」
「怖いこと言うなよ・・・」
「よし・・・じゃあ行くぞ」
ゴクリ、と唾を飲む三人と南西に向かって歩き距離を取るアイン。
「目標地点方角北東、距離5000、角度計算完了。精霊回路、エネルギー充填、共に解凍を開始。解凍率30・・・50・・・70・・・80・・・90・・・100%。解凍完了」
そう言って脚に幾何学模様を浮かび上がらせながら疾走するアイン。それは徐々にスピードを上げていき、アインがコンクリート製の塀に跳躍して飛び乗った瞬間に世界が変わった。最初は強いGがかかったと思えば、しばらくすると身体全体になんとも言えない浮遊感が襲いかかってくる。古城は吸血鬼の並外れた三半規管でアインが恐ろしい高さと距離を跳躍して移動しているのだと分かった。雪菜と凪沙は完全に目を回してしまっている。何度かこれを繰り返したあと、唐突にアインは踵でブレーキをかけて数mの制動距離を作って止まった。
「古城、舌は噛んだか?死んだか?・・・チッ、噛んでないのかよ」
「なんだよそのいかにも噛んで死ねみたいな言い草は??て言うか今のなんだ??お前怪物か??人外か??」
「これは色々と使えそうなシステムを重ね掛けの要領で並行して使用したらできただけの話だ。精霊回路とかISのな」
「はぁ・・・お前のスペックがイカレてるのは理解したが・・・姫柊はともかく凪沙が目覚めるのはもう少しかかりそうだな」
「この二人、気絶で済んだだけでも中々のもの
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