暁 〜小説投稿サイト〜
北欧の鍛治術師 〜竜人の血〜
聖者の右腕U
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「う、す、すまん」
「冗談だ。式神か符を1つ持たせてくれればそれでいい」
「分かりました。じゃあ、これを。伝令用の式神です」
「確かに借り受けた。それと飯をくれ。流石に限界だ」
アインがそう言ったのと同時に雪菜の腹の虫が空腹を訴えるように鳴った。雪菜は羞恥に顔を赤らめながら足早にキッチンへ支度をしに行った。
「じゃあ、俺は戻るよ。姫柊もまた後でな」
「はい。では後で」
「暁古城。お前は自身の眷獣は掌握できているのか?」
「出来てねェよ。俺が第四真祖になったのはついこの間だからな。昨日の暴走も俺の身の危険を察知した眷獣が自己防衛みたいに働いたんだ」
「そうか」
「なんだよ?」
「いや、早いとこ伴侶を決めておけと言おうと思ったんだ」
「伴侶?」
「そう。血の伴侶だ。分かりやすく言うと血の花嫁。お前の妻」
「は・・・?」
「何を驚いている?お前の血族を残すためには血の伴侶が必要だろう?なんにせよ、いずれ決めなければならない事だ。早いうちから考えておいて損はあるまい」
「いや、俺は血族とか興味無いし・・・」
「そんな事を言っていられるのもあと数百年ぐらいしかないぞ。真祖とは即ち不死の呪いを受けた者。その血族も不死とまでは無くとも相応の寿命を持っている者が大半だ。ごく一部の長老や貴族には退屈すぎて殺し合いを楽しむようになった戦闘狂い(バトルジャンキー)までいる。そんなのになりたくなかったらまあ・・・話し相手だとか、自分の気を紛らわしてくれるような奴を少しでも多く手の届く範囲に置いておくのがベストだ」
「まぁ・・・それはその時が来たら改めて考えるよ。じゃあ、妹が待ってるから戻るわ」
「そうなのか、それは引き止めて悪かった」
古城が自宅に戻りしばらくすると雪菜がこれまたショッピングwith古城で購入した炊飯器で炊いた米と味噌汁をお盆に乗せて持って来た。
「アインさん、さっき先輩と何話してたんですか?」
「あいつの眷獣だとか将来についてだ」
「先輩の将来?」
「ん、血族とかの話だ。じゃ、いただきます。あいつは興味無いとか言ってたがこれからはそうもいかんだろうよ。少なくとも1人・・・いや、まだ言うのはやめておこう」
「?」
その後食事中は一切言葉を発しなかった2人は早々に食器を片付けて雪菜が日課である朝の雪霞狼の整備をしている間にアインは食器を洗って片付けた。登校時間になりマンションの廊下で再度古城と合流。その時、部活の朝練が無かった暁家の妹、暁凪沙も一緒に出て来ており、兄である古城に向かって延々と説教をしているようだった。
「あ、雪菜ちゃん今日のニュース見た?倉庫街の爆発事故もすごかったけどさ、何よりISの男性操縦者発見と失踪っていうのがやっぱり一番だよね。古城君はこんな一大事なのにあんまり気にしてな・・・」

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