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元気溌剌
第二章

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「元気になって何よりだけれどな」
「それでもですか」
「紀香ちゃん程じゃないよ」
 こう言うのだった。
「それはね」
「そうですか」
「紀香ちゃんみたいに元気になるには」
 どうもという口調で言っていく。
「もっと理由があるのかな」
「いえ、本当にです」
「生活だね」
「それだけですよ」
 笑って言うのだった。
「本当に」
「そうなのかな」
「はい、じゃあ今日も頑張って」
「うん、仕事をね」
「やりましょう」
 紀香は笑顔のままだった、それでだった。店長を引っ張る形で頑張っていく。それは大学でも同じでだ。
 積極的に講義を受けてキャンバスライフを楽しんでいた。それで図書館で新聞を読みつつ言うのだった。
「これからよ、阪神も」
「五ゲーム離れてるけれど」
「カープとね」
「貫禄負けって感じだったけれど」
「それでもなの?」
「まだういけるっていうの?」
「まだ六月じゃない」 
 だからだとだ、笑って言うのだった。
「だからね」
「まだなの?」
「阪神いけるの?」
「十月まで充分時間あるから」
「それでなの」
「若手出て来てるし」
 まずはこのことを言うのだった。
「若手だったら夏も乗り切られるじゃない」
「地獄のロードも」
「それもなの」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「安心していいわ。それに二位じゃない」
「まあね」
「五ゲーム開いてても二位よ」
「腐ってもね」
「だったらクライマックスにも出られるから」
 肝心のそれにもというのだ。
「例え優勝出来なくてもよ」
「大丈夫」
「そこで勝てる」
「そうだっていうの」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「だからね」
「諦めない」
「そういうことね」
「阪神はまだまだこれから」
「ペナントは長いってことね」
「そうよ、優勝出来なくてもシリーズに出られるでしょ」
 この望みもあるというのだ。
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