第四話 父さん
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「でもな、それでもだ。
アイツは、優しかったんだぜ?」
ユージンは息を切らしながら。
自信満々の顔で、そう言った。
モビルスーツ格納庫。
視線の先、巨大なソレを俺は見下ろしていた。
白色のモビルスーツ。初めて見る型のタイプだ。
「これが、ガンダム・フレーム?」
俺は、それを見て違和感を感じた。
あれ? このモビルスーツ────何処かで見た事あるような?
「それは、機体のフレーム名だ」
ゼェゼェ……と息を吐きながらユージンは言った。
「コイツの名前はガンダム バルバトス……テメェの父親が、乗っていた機体だよ……」
「父さんが?」
「ぁぁ……」
これに父さんが、乗っていたんだ。
なんでだろ。今日は訳の解らない事ばかり起きていて、普通の人間ならその状況を整理するのにはそれなりの時間を有するはずだ。それなのに、俺は何故か冷静だった。
訳の解らないこと。理解出来ていないことも沢山ある。それでも、俺は迷っていない。
するべき事は分かっている。
俺は、あのモビルアーマーをぶっ壊す。ただ、それだけだ。
でも、一つ聴きたい。
「ねぇ。なんで、父さんはこのモビルスーツのパイロットだったの?」
今、するべき質問じゃないって事は分かってる。でも、俺は知りたい。
父さんは何者だったのか、父さんはなんで死んだのか、父さんはなんでコイツに乗っていたのか。
「…………」
ユージンは目を逸らし、黙り込んだ。
「さっきの黒いオッサンとの話を少し聴いてたけど父さんもモビルアーマーと戦ったことがあるんだよね?」
「……お前、そこまで聴いてたのかよ」
「うん。だから、教えてほしんだ。父さんはソイツと戦って死んだの?」
「いや、ソイツとは関係ねぇ」
「じゃぁ、なんで?」
そして、またユージンは黙り込んだ。
このままだと時間の無駄だ。
「────オーイ! ユージン!」
突如、野太い男の声が格納庫に響き渡った。
声のする方を見るとガタイのいいオッサンが走ってきている。
いや、オッサンというよりおじいちゃんと言うべきか。それにしてもパワフルなおじいちゃんだ。
「テメェ、こんな所で何してやがる!まさか、コイツに乗るつもりじゃねぇよな!」
「俺は乗らねぇよ。乗るのはコイツだ」
ユージンは俺に親指を向ける。
おじいちゃんはその指先の方向を見て「オメェ……ミカヅキ?」と言葉を零していた。なんか、今日一日、似たようなことばっかり言われてるけど。俺と父さんってそんなに似てるの?
「ミカヅキじゃねぇ。アカツキだ」
「アカツキ……あっ。もしかして、オメェ、ミカヅキのガキか!」
「そうだけど。俺と
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