私の罪
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守ってくれてた。あの時も……」
「あの時?」
キリトがシノンの言葉に疑問を持ち、全員の代表のように聞いた。
「えぇ、私が小学5年生の頃に街で銀行の強盗事件があったの。私もお母さんと一緒にその銀行にいたわ、ライはお父さんと来てて、一緒に座って待ってたら怪しげの大人が来て警戒していたら銃で発砲し始めたわ。」
話を聞く全員が息を飲んだ。
幼い頃にそんな経験をしていたらトラウマになってもおかしくないからだ。
「銀行で働いていた職員が1人打たれて、次に銃口を向けられたのは私のお母さんだった。ライのお父さんがお母さんを守ってくれたんだけど、焦った私はその犯人に突っ込んで自分が次の表的になった。でも、ライが私が殺されると思って、私の前に立って持っていた刀で犯人を斬ったの……。」
その場にいる全員は予想外な出来事に何も言えなかった。
「人を……斬った……?」
リズが信じられないと言うように声を発した。
「えぇ……、メディアや新聞、警察は正当防衛って言って罪に訴えられることは無かったけど、ライの心には大きな傷になってしまった……その事件の事を彼は覚えてないわ……」
「刀で人を斬った事による精神障害……か。」
キリトはぼそっと呟き、シノンは頷いた。
「だから彼は感情によって左右される、剣を握っても覚えていない。だから、私はこの世界に来て良かったと思ってる。」
シノンの発言にリーファ以外のメンバーは驚いた。
「な、何言ってんだ!?」
「し、シノンさん、いくら何でもそれは……!」
シノンは伏せていた顔を上げて真剣な表情を浮かべ……
「この世界に来なかったら皆に会えてないわ、それに。」
シノンは悔しそうに拳にぎゅっと力を込めて。
「もうこれ以上、ライに辛い思いをさせたくない…!」
今まで黙っていたアスナは、そっとシノンの隣に移動し抱きしめた。
「アス…ナ…?」
突然のアスナの行動に動揺を隠せないシノン。
そんなシノンを強く抱きしめ続けるアスナ。
「ごめんね……気づいてあげられなくて……」
「え…?」
「シノのんも辛かったよね……」
アスナはシノンが今までライアに罪を受けさせてしまったと自分を責めていた。
あの時、自分があんな行動をしなければ……
無茶な行動をしなければ……
ライアに、彼に人を殺させなくて済んだと。
「う…ぅぅ……私…わたし……」
シノンは泣いた。
許せない自分を
好きな彼に何もしてあげられない事を
そして、何より
彼を支えられるのは自分では無いという事。
「…………。」
差出人が無い
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