442部分:第三十五話 守矢、雪を止めんとするのことその十二
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第三十五話 守矢、雪を止めんとするのことその十二
「ではな」
「ええ」
「先に桃家荘に行っている」
「そこで待っていてくれるのね」
「そうさせてもらう」
こう妹に対して告げていた。雪の後ろには劉備達がいる。
「これからな」
「わかったわ。じゃあ兄さん」
「ああ」
「また会いましょう」
兄に笑顔で告げた。
「それじゃあ」
「また会おう」
こうして兄妹は別れた。守矢は幽州に先に向かい雪は劉備達と行動を共にするのだった。そしてその時にであった。
劉備がだ。こう皆に言うのだった。
「じゃあこれからいよいよね」
「そうですね。袁術殿のところに」
「そこに行くのだ」
関羽と張飛が応えてだった。そうして。
一行は袁術のところに向かう。そこでだった。
馬岱がだ。不意に言った。
「これで終わりじゃなくてね」
「何だ?蒲公英」
「まだ旅が続いたりしてね」
こう言うのだった。
「袁術さんのところだけじゃなくてね」
「まさか。それはないだろ」
馬超は従妹のその言葉を否定した。
「だってよ。袁術が剣を持ってるんだろ?劉備殿のその剣を」
「それは間違いない」
趙雲が馬超に対して答える。
「剣は袁術殿のところにある」
「それならそれで終わりじゃねえか」
馬超は言った。
「剣を取り返したらな」
「ただ。問題はです」
「その袁術殿です」
孔明と鳳統はその袁術を問題視していた。
「どうもかなり癖のある方のようなので」
「そうおいそれと剣を返して頂けるかどうか」
「またあの催しかしら」
黄忠はこう考えた。
「袁紹さんの時みたいに」
「あれはね。疲れたわね」
「ええ、確かにね」
神楽とミナは苦笑いになっていた。
「あれやこれやとあって」
「本当に」
「何か袁家ってそういうところが不安なのだ」
張飛も困った顔になっている。
「何があるかわからないのだ」
「しかしそれでも行くしかないな」
関羽は正論を口にしていた。
「ここはな」
「そうよね。それじゃあね」
最後に劉備が言った。
「行こう、袁術さんのところに」
こうして雪も加えた一行はいよいよ袁術のところに向かうのだった。劉備の剣はその主のところに戻ろうとしていた。だがそれにはまだ困難があるのだった。
第三十五話 完
2010・9・23
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