暁 〜小説投稿サイト〜
エターナルユースの妖精王
ルーシィVSエバルー公爵
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整えてもらう時である事が多いよなあと思いながら、びし、とエバルーを指す。

「戦闘よ!!!あのヒゲオヤジやっつけちゃって!!!」
「OKエビ」
「まさにストレートかと思ったらフックを喰らった感じだね。うん!!もう帰らせていいよ」
「あんたが帰れば。…で、そっちはそっちでキャンサーを食べ物認定しない!!」
《し、してないしてない!!!海老はアイツの好物って訳じゃないし!!海老好きなのはモルガンだから!!!》

……そういう事ではないような。






彼等がまるでコントのような言い合いを繰り広げている頃。
彼等と対峙するエバルーは、金髪の女に突き付けられた言葉を反芻していた。

(ひ……秘密じゃと!!?まだ何か……)

日の出(デイ・ブレイク)が完成するまでの経緯と、もう一つ。ケム・ザレオンが残した言葉。エバルーへの怨みを綴ったのではない、エバルーの想像の範囲外にあるそれ。
考える。考える。考える。あの作家が本に秘めたものは何だ?エバルーが持つべきではないというそれは何だ?あの男は、ケム・ザレオンは、何を……。

(ま…まさか)

考えて、一つだけ。
まさか、もしかしたら、と思いつく事があった。

(我輩の事業の、数々の裏側でも書きおったか!!?―――まずいぞ!!!評議院の検証魔導士にそれが渡ったら……)

渡ったら。
渡ってしまったら、どうなる。今の地位は?巨万の富は?今の今まで積み上げてきた、公爵というプライドは、どうなる?

(我輩は終わりじゃないかっ!!!)

そう気づいて。そう察して。
そんな事など到底許せるはずもなく、故にエバルーの行動は早かった。






「ぬぅおおおおっ!!!!」

突如として、雄叫びが響いた。
言い合いを続けていた二人が、同時にお互いから目線を外す。ルーシィは本を強く抱え、パーシヴァルは左足を小さく引く。地面に潜ろうが弾丸のように跳んでこようが対処出来るように、だろう。
だが、エバルーの取った行動は、そのどちらでもなかった。

「―――開け!!!処女宮の扉!!!!」
「え!!?」
「ルーシィと同じ魔法!!?」

どこに隠し持っていたのか、持ち手を摘まむように構えているのは金色の鍵。ルーシィがキャンサーを呼んだのと同じ、持ち手の模様と形状は違えど、それは確かに星霊を呼ぶ為の鍵で。
ルーシィとハッピーが目を見開いた。キャンサーの表情が少し崩れて、パーシヴァルがちょっと眉を動かす。

「バルゴ!!!!」
「うそぉ!!!?」

空気が震える。吹き上がる煙の奥、瞳が二つ、強く輝く。
現れたそれは、壁のようだった。エバルーを隠し、それどころかルーシィ達の視界の半分ほどを埋めてしまうような巨体。ボタンが留められない
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