ルーシィVSエバルー公爵
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《とはいえ、俺これでも機嫌よくてさあ。多少のあれそれは「うわあコイツ、人間としてなってねえなあ」って思うだけに留めてやるとして……けど、いや、そうだな。唾飛ばされそうになった事とか、嬢ちゃんの腕折ろうとした事とか、まるっとひっくるめてこの本一冊くれれば許しましょう!!わー俺ってば太っ腹!!!普段ならギャラハッドにある事ない事告げ口してけしかけるところだけどー、今なら本一冊で聞いて驚け無傷で生還無事帰還って訳だよ、さあどうだ?》
この本、と指すのは、ルーシィが抱える日の出。にやりと笑って問うように首を傾げてみせるパーシヴァルに、けれどエバルーは納得などしない。
「な、何を……その本は我輩の物だ!!!貴様等にくれてやる訳がなかろう!!貴様等こそ、我輩のような偉――――い男の所有物に手を付けて、ただで済むとでも思っているのか!!!?」
《え、うん。大体さあ、自分で自分の事を偉い偉い言う奴って、実際のところ大した事なかったりするんだよなあ。本当に偉い奴はそんな事言わないし、言葉にせずともその在り方で語るってもんだよ。まあつまりうちの団長って訳だ、アイツに関してはもうちょい偉そうにしたっていいくらいなんだけどな?――――で?つまりこれって交渉決裂?争わない平和的エンドはもうない感じ?言葉でダメなら拳で語るしかない感じだったりする?えー、やだなあ俺そういうの》
げんなりとしながら、彼は言う。
さも当然の事を言うような軽さで、吐き捨てる。
《弱い者いじめとか、俺の主義に反するんだけど》
「……っ!!!!」
エバルーの顔が、変わった。がらっと表情が崩れ、その足が地を強く蹴る。
速度といいシルエットといい弾丸のように飛び出したエバルーが、下水の上を飛び越え対岸に立つパーシヴァル目がけて突撃する。一度飛び出したらどこかにぶつかるまで止まれない一撃にパーシヴァルはほんの少し目を見開いて、けれど慌てる事なく横に移動する事でそれを回避した。壁に激突したエバルーはそのまま壁を突き破り、すぐ横に新たな穴を開けて現れる。
「い…言わせておけば図々しくも!!この偉――――い我輩に……!!!」
《さっきからそればっかり。他に言う事ねえの?自分の言動で自分の地位を穢していってるって、どうして気付かないかなー》
はあ、とこれ見よがしに大きく溜息を吐いて、とんと一つ跳び上がる。助走もなしのその動作だけで対岸に降り立ったパーシヴァルが、置いてけぼりを喰らっていたルーシィの肩を軽く叩いた。はっとして彼の方を見たルーシィに、彼はにっと口角を吊り上げる。
《さて、準備はいいか?嬢ちゃん。必要とあらば俺も働くけど、まあ大体は自力で頑張ってくれ!!》
「え、ここまで煽っといてそれ!!?」
《煽っておいてこれだ!!まあ悪気
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