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エターナルユースの妖精王
ルーシィVSエバルー公爵
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らないはずなのに。ニアに至っては彼のような特殊な何かを持っているなんて事もなく、尚更訳が解らない。
というかニアは無事なのだろうか。そろそろ涙目のパーシヴァルが、バルゴを殴ってでも彼の安否を確認しようと拳を握っているのだが。一言でもいいから返事がないと、ルーシィが何かする前に決着がついてしまいそうである。
それはそれでいいような、あくまで部外者というスタンスを貫いてきた彼等からすればよくないような、とルーシィの思考が更に混乱し始めた、その時。

「ルーシィ!!!オレは何すりゃいい!?」
「バルゴ!!!早く邪魔者を一掃しろ!!!」

バルゴの服を掴んだままのナツが叫んだ。ごちゃごちゃしていた思考が、その声で破られる。エバルーの声がバルゴの巨体越しに響いて、咄嗟に腰の左側に手をやった。

「そいつをどかして!!!」
「おう!!!!ニア、手離すぞ!!」
「……ああ」

束ねた鞭をしゅるりと引き抜く。応えたナツがちらりと目をやって叫び、顔色の窺えないニアが絞り出すように呟いた。弱弱しい小さな声、けれどナツの耳には届いたようで、ぱっと手が離される。重力に逆らう事なく落ちていきかけたニアの体がふわりと浮いて、やや距離を置いた位置にとんと降り立った。駆け寄って来たパーシヴァルに軽く手を振って、フードを被り直しながらナツを見やる。

「どりゃあっ!!!!」

二人の目がかち合った、瞬間、ナツが動いていた。
服を掴む手を引き、その巨体のバランスを無理矢理崩させる。ぐらりと揺れたバルゴの頬に、炎を纏う拳を叩き込む。床を割る勢いで叩き付けられたバルゴが大きく呻き、そのまま意識を失った。

「何ィ!!―――んぶっ」
「もう地面には逃げられないわよ!!!」

バルゴは倒れた。もう遮るものも脅威もない。引き抜いた鞭をエバルーの首に巻き付け、力一杯引き寄せる。

「アンタなんか…」

引っ張られるエバルーが、倒れるバルゴの上を飛ぶ。キャンサーが地を蹴って、成す術なく手足をばたつかせるエバルーを空中で迎え撃つ。

「脇役で十分なのよっ!!!!」

ほんの一瞬、エバルーとキャンサーが空中ですれ違った数秒。
ルーシィの鞭から解き放たれたエバルーを、キャンサーの鋏が襲撃した。





「お客様……こんな感じでいかがでしょう?エビ」
《んー?どれどれ?》

着地したままの体勢で、エバルーに目を向ける事なくキャンサーが呟く。その声に、すっかり調子を取り戻したパーシヴァルが首を傾げつつ答え、軽い足取りで近づいてひょいと覗く。

《ありゃ。これじゃあもうくるくる髭野郎とは呼べないかあ。ちょっと残念》
「ははっ」
「……ふ」

口では残念と言いながらも声色はむしろ楽しそうで、わざとらしく肩を竦めてみせる。同じよ
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