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エターナルユースの妖精王
魔導士の弱点
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らりと回避を続けていた。力強く振り下ろされる傭兵の拳の隙を縫うようにするりと掻い潜り、距離を置いた後方で、右足を軸に急ブレーキをかけたようにきゅっと止まる。ズボンのポケットに手を突っ込んでいる辺りが余裕そうな態度に拍車をかけていて、弟の方が苛立たしそうに顔を歪めた。

「昔……こんな魔導士がいた。相手の骨を砕く“呪いの魔法”を、何年もかけて習得した魔導士だ。オレ達はその魔導士と向かい合った、そして奴が呪いをかけるより早く……」

その弟の方が、今度は口角を吊り上げる。

「一撃だ。逆に骨を砕いてやった。奴の何年もの努力は、たったの一撃で崩れ落ちた」

ぴくり、とニアの眉が小さく動く。
得意気に語る、その話が気に食わない。誰かが何かを努力した、それを他人が笑う様を見るのは不愉快だ。誰かの努力を笑うななんて綺麗な事を言うつもりはないが、それでも気に入らない。

「それが魔導士というものだ」
「魔法がなければ、普通の人間並みの力も持ってねえ」

風を切る音を立てて、平鍋と拳が同時に振るわれる。
当たれば大ダメージだろう。――――当たれば、だが。

「つーかさあ」

両者の視界にいたナツが狙われるが、それを彼は軽く身を反る事で回避する。そのまま後方に跳び、着地からのバック転を一つして、いつの間にか無音で移動していたニアの横にすたっと着地した。

「そーゆーワリには全く攻撃当たってねえぞ」

べー、と舌を出して揶揄うように片足を上げてみせる。そんなナツを見やってから、ニアは正面に立つ傭兵二人をじっと見据えた。
確かに一撃一撃に力は込められていて、決して弱くはないのだろう。これだけの動きをしていながら息が切れていないのも日々の鍛錬とやらの成果だろうか。戦う上での基礎は、あるにはある。だが、それだけだ。
どの攻撃も一直線。縦なら縦、横なら横にしか振るわれない。だからその軌道から逸れてしまえば避けるのは容易だし、一つ一つの振りも大きいから隙を狙いやすい。どうやっても生まれてしまう隙に何を差し込めるかが重要だろうに、と思ったが、口には出さなかった。

「なるほど、スピードは大したものだ。少しは鍛えてるな」
「兄ちゃん……アレなら避けられねえ。―――合体技だ!!!」
「OK!!!」

弟の方が叫んだ。と、それに返事をすると同時に兄の方が平鍋を真っ直ぐに伸ばし、その柄の部分を足場に、腕を横に伸ばした弟の方が跳ぶ。

「余裕こいてられるのも今のうちだぜ!!小僧共!!オレ達が何故“バニッシュブラザーズ”と呼ばれているか教えてやる!!」
「“消える”、そして“消す”からだ」

跳んだ弟が、平鍋の広い面に降り立つ。

「ゆくぞ!!天地消滅殺法!!!!」
「HA!!!!」

瞬間、兄の方が平鍋を大きく振り上げ
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