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エターナルユースの妖精王
魔導士の弱点
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合わせてしまって、相手が自分の事も敵だと認識してくるのだから、攻撃されたらやり返すくらいは仕方ないかというだけで。

「…半人前、とは言うが」

左足を半歩引く。構える傭兵には見向きもせずに、見つめるのはただ一点。

「そんなのはただの世の風潮だろう、ド阿保」
「…なっ……!!?」

呟き、床を蹴る。拳を作る傭兵の横を、文字通りの一瞬で駆け抜け――――いや、飛び抜ける。その勢いでフードが外れたが知った事ではない。少し遅れて聞こえた驚くような声に唇を吊り上げて、狙い通りに開いた穴に飛び込んだ。先ほど自分が蹴破った、本当ならドアがあったはずの穴に。
床から離していた足でもう一度床を蹴る。天井に頭をぶつけない程度に跳んで手すりを飛び越え、ナツの隣にふわりと降り立った。当然、フードを被り直す事は忘れない。

「大丈夫か?」
「おう。そっちは?」
「問題ない」

着地した体勢から立ち上がるナツにちらりと目をやる。派手に投げられた割には大したダメージはなさそうだ。まだ避ける事にだけ専念していても問題ないだろう、と判断する。

「で、雇い主ん家、そんなにブッ壊していいのか?」

ナツが睨み上げる先、二階の廊下から傭兵二人がこちらを見下ろしている。左に立つ兄の方が、ナツの問いには答えずに口を開いた。

貴様(ユー)等は魔導士の弱点を知っているかね?」
「の…乗り物に弱い事か!!?」
「よ…よく解らんが、それは個人的な事では?」

何で知ってんだ!!?と言わんばかりに目を見開くナツに、向こうも答えに困ったのか言葉が詰まる。隣に立つニアも呆れるあまり溜め息を隠せない。まあナツからすれば乗り物は弱点中の弱点なので、その反応も解らなくはないのだが。

「肉体だ」
「肉、体!!?」

ばっ、と兄の方が砕けた廊下から飛び降りる。呟かれた一言に反応したナツの背後に筋肉ムキムキの男が二人見えた気がして、堪えきれずに「おい、何だ今の」とニアがツッコミを入れたが答えはない。

「魔法とは、知力と精神力を鍛練せねば身に付かぬもの。結果…魔法を得るには肉体の鍛錬は不足する」

飛び降りた兄の方が、地に足が着くよりも早く平鍋を振るう。一直線に振り下ろされたそれはまたしても床を砕き、狙いの二人はそれぞれ左右に跳んで回避した。
そこから間を置かずに降りて来た弟の方がナツ目がけて拳を振り下ろす。それを紙一重で避け、避けると同時に足を振り上げる。やや崩れた体勢からの蹴りは当たらず、相手の髪を掠った。

「すなわち……日々体を鍛えている我々には、“力”も“スピード”も遠く及ばない」

横薙ぎに振るわれた平鍋を跳んでかわし、二階への階段の手すりを掴む。攻撃の軌道上にいたニアに目を向けると、彼は彼で焦りのない涼やかな顔のままひらりひ
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