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強欲探偵インヴェスの事件簿
強欲探偵の弱点
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あるし、いつかインヴェスが自分を貰ってくれた時の為の生活資金にしようと溜め込んでいるのだ。それだけカトリーヌはインヴェスに惚れていた。

「でもねぇ〜、カトリーヌちゃん浮気許さないタイプでしょ?俺ちゃん無理」

 惜しむらくは、インヴェスに惚れていてヒモでもいいから側にいて欲しいと願っている女性が他にもいるという事か。それも貴族の婦人など財力のある女性ばかり。しかしインヴェスが一人の女性だけを愛するという事が出来ない為、今のところは小康状態を保っている。インヴェスの理想はヒモ生活をしつつのハーレムを形成する事である。今現在がそれに一番近い形だったりするのでインヴェスは満足していたりするのだが。




「おい」

 ハリーが唐突に声をかけ、インヴェスの顔面に向かって革袋が飛んできた。危なげなくそれをキャッチするインヴェス。その手触りとズシリと来る重量感から中身は金だと判断。開けると、中には金貨や銀貨、ミスリルで作られたミスリル貨等がギッシリと詰まっていた。

「70万以上はある。それでこの娘の依頼を受けてやれ」

「へ〜ぇ、お前いつの間にロリコンになったんだよ?筋肉ダルマ」

 からかうようにニヤニヤと笑うインヴェスだったが、ハリーの射殺すような視線に肩を竦めた。

「仕方ねぇ、請け負いましょうこの依頼」

 嫌々ながら、という態度を取りながらもインヴェスは内心ほくそ笑んでいた。この娘の依頼を受けるという事は、裏で交わしたハリーとの200万ゴッズの契約も生きてくるという事である。最低でも270万の稼ぎ……また数ヵ月は遊んで暮らせるな、とインヴェスは脳内で銭勘定を始めていた。

「さぁて、やると決まればさっさと行動開始だ。チャッチャと片付けてまた楽しい自堕落生活に戻るぞ」

 そう言ってインヴェスは腰を下ろしていたソファから立ち上がった……のが、数時間前。インヴェスは今、事務所の一角に追い詰められている。顔からは滝のような汗が噴き出し、迫ってくる『何か』から逃れようと壁に貼り付く。

「くそったれ、こんな……こんな所で俺様が…っ!」

 そしてインヴェスを壁際まで追い詰めたその何かは更にインヴェスに近付き、その牙の生えた口を開け……

「ワンッ!」

「ヒギャアアアアアアアァァァァァっ!ほ、吠え、吠えたあああぁぁぁぁぁ!」

 この日、『強欲探偵』と異名を取り恐れられているインヴェスは愛くるしいチワワに敗北した。





 話は数時間前に遡る。ミーアからの依頼を受ける事になったインヴェスは、文句を垂れ続けているカトリーヌをどうにか帰らせてこれからの捜査方針を話し合う事となった。

「まずは連れ去った輩の特定、それと黒幕の有無の確認だろうな」

「妥当な所だな。裏の聞き込
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