437部分:第三十五話 守矢、雪を止めんとするのことその七
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第三十五話 守矢、雪を止めんとするのことその七
「それによく見れば鋭いけれど奇麗な目をしているのだ」
「目、か」
「悪いことはできない目なのだ」
こう言うのであった。
「けれど誤解を受けそうな感じがするのだ」
「そうかもな。しかし」
「しかし?」
「私は誤解なぞ怖れはしない」
守矢の考えである。
「それよりもだ」
「己の果たすべきことを果たすか」
関羽が言った。
「貴殿はそうした人物か」
「そう考えている。駄目か」
「いや、ただ」
「ただ、か」
「生きにくい生き方だな」
彼のその考えを知ってであった。
「私も人のことは言えないだろうが」
「そうかも知れない。しかし私はそうしたことしかできない」
「難儀なものだな。だが」
「だが?」
「その生き方気に入った」
関羽は微笑んで彼に告げた。
「これからも宜しくな」
「かたじけない。それではだ」
団子を食べ終わった。茶も飲んだ。
それが終わってからだ。守矢は言うのだった。
「食べ終わってから。はじめるとしよう」
「そう思うんですけれど」
「あの」
ここでだった。孔明と鳳統が言うのであった。
「若しかしてですね」
「あそこから来られる人は」
「むっ」
見ればだ。店の右手から続く道からだ。ある者が来た。
守矢の言った通りだ。長い金髪に白い服とズボン、鉢巻もしている。そして右手には薙刀を持っている。すらりとして整った顔立ちである。
その少女が来てだ。守矢は言った。
「雪、遂にか」
「やはりな。あの者か」
「へえ、奇麗な顔してるな」
趙雲はその雪の凛とした顔を見て言う。
「腕もかなりのものだな」
「ああ、凄い気配だな」
「それで守矢さん」
馬岱は守矢に声をかけた。
「早速なのね」
「そうだ。それではだ」
雪の前に出た。そうしてだった。
「久し振りだな」
「兄さん・・・・・・」
雪はだ。その彼を前にしてこう言葉を出した。
「まさか。兄さんもこの世界に」
「楓達もいる」
彼は妹にこのことを話した。
「御前はまた」
「・・・・・・・・・」
雪は兄と呼ぶ男の問いに沈黙してしまった。それを見てだ。
黄忠はいぶかしむ顔になってだ。一同に話すのだった。
「そうやらあの二人は」
「ええ、そうね」
「兄妹ね」
こう神楽とミナが返す。
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