第四十話 神戸に帰ってその十五
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「大学行くつもりだけれど」
「天理大学ね」
「お姉ちゃんも頑張ってるのね」
「大学でも勉強したいから」
おみちのことをです、ですから宗教の方の学部に進むことはもう決めています。天理大学は天理高校とは道を挟んですぐ隣にあります。
「だからよ」
「やっぱりお姉ちゃん真面目ね」
上の妹が言ってきました。
「真面目なのもいいけれど」
「いいけれどって?」
「もう少し遊んでもいいんじゃない?」
「遊ぶって?」
「だから。彼氏とか」
「そういうことは」
言われてもです、正直困ることでした。それで上の妹に困った顔を向けて言いました。
「まだよ」
「受験だからっていうの?」
「そう、だからね」
「そういうのは言わない約束よ」
「そういうの抜きで作ったらっていうのね」
「そうしたら?誰かゲットしてよ」
「ゲットって。カードとかゲームのアイテムじゃないんだから」
何かそんな感じの言い方でした、本当に。
「そうそうね」
「まあそこはよ」
「そう、お引き寄せでね」
「お姉ちゃんって奥手過ぎるから」
「そこはちゃんとしてね」
妹達までこんなことを言ってきました。
「誰か本当にいないの?」
「高校には」
「私は勉強しに行ってるのよ」
学校の勉強もそうですしおみちのこともです。
「それで彼氏とか」
「早いとか?」
「学業優先とか?」
「そうしたことは言わないけれど」
それでもとです、妹達にまた言いました。
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